マスクバブルそして崩壊へ
新型コロナウイルスはマスク不足を生みました。どこにいっても売り切れ、売っていても高額転売など。これほどマスクが求められたのは未だかつてないですね。これは新型コロナウイルスにたいしての対策が手洗い、うがいと基本中の基本しかないという現状の中でマスクもその要因の1つです。
そして過度なマスク不足報道が国民の不安心理を煽りました。テレビなどを見た高齢者がドラックストアに並ぶ姿があり、毎日同じ人が並んでいるというお店の声も聞かれ、全員に行き届かなくなりました。これは不安心理の現れで「マスクを少しでも多く手元に置いておきたい」という考え方からきたのではないでしょうか。
安倍首相の対策として ” アベノマスク ” と揶揄されている国民にたいして布マスク二枚配布は実はマスク不足をその布マスクで解消しようとう狙いではなく、「布マスクは手洗いでいけるんだ、政府が配ってくれるんだ」といったマスクに毎日並ぶ人たちの不安心理を和らげることを狙ったものともいわれています。
そして生産も追いつき、ようやくマスクが市場に流通するされるようになりいつもの日常に戻りつつあります。数ヶ月続いたマスク不足によるマスクバブルは崩壊しました。
マスクが余ると逆に価値が一気に下がる
行列の中には、中国人の姿もあったといわれています。おそらく転売目的と思われますが、このような人がパニックに陥っているときにその隙を狙ったビジネスは規制をどれだけかけても加速します。
マスク転売は目立ちすぎたために一気に法整備が進みましたが、給付金の申請代行や詐欺などあらゆる手段で人は悪知恵を絞りお金を搾取します。
これに関しては個々人が意識して注意するしかありませんが、今回は大量に購入されたマスクは一気に価値が下がったので別の物と合わせて販売したり、お店でいえば配り始めたりしています。そんな中、他業種からも今回のマスクビジネスに参入してくる企業がありましたが、商機となるのでしょうか。
シャープのマスクが大人気
電機メーカーのシャープがマスクを生産し話題になりました。喜ぶべき内容かは不明ですが、シャープの107年の長い歴史の中で一番の大ヒットが今回のマスクです。ネット販売をしたところアクセスが殺到しサイトはパンクする事態となりました。
そして抽選形式に変更し、778万件の応募がありました。しかし、シャープのマスクは商店街などで販売されているマスクと比べて割高ですがなぜここまで人気なのでしょうか。
理由は他のマスクとの差別化にあります。マスク価格が崩壊する頃マスクの質を問われる声も増えてきました。そして質が良くても売れないために一気に値崩れを起こしたマスクへの信頼度はどうでしょうか。
ここにシャープのマスクは安定した価格でそしてロゴ入り。なんとなくマスクの中でもシャープという大手企業のロゴが入っている安心感と他のマスクと比べて「抽選でしか手に入らない」というところに消費者心理が動いています。安価な海外製よりもメイドインジャパンといった流れはシャープにとっては、タイミングも後押しされいい成果となりました。
ミズノのマスクも即完売
シャープのマスク同様他業種で大手総合スポーツ用品メーカーのミズノも参戦しています。ネットでの限定販売という戦略は似ているのですが、ミズノは水着素材を利用した「マウスカバー」と呼ばれるマスクで話題を呼んでいます。
機能性だけでなく、24種類にも及ぶデザイン製も即完売の秘訣ではないでしょうか。すでに5月31日で応募は締め切りとなっており、こちらも抽選方式で当選者にたいしてメールが届くシステムとなっています。
シャープやミズノから見られる日本人のマスク購買の形は確実に変わりつつあります。
・メイドインジャパン
・大手企業のブランド
・機能性、ファッション性
・抽選方式
さらにはこれから夏場にかけて心配されるのがマスク着用による ” 熱中症 ” これにたいしても熱がこもらないマスクを開発し販売する企業も出てきており、マスク需要の中から生まれたビジネスともいえるでしょう。
既存のマスクが新型コロナウイルスで求められ消費者のマスク不足の懸念は解消されたとはいえ脳裏には残ります。その証拠に今回もトイレットペーパーの買占め騒動が起こりました。
トイレットペーパーの買占めはオイルショック時に「トイレットペーパーが手に入らなくなるのではないか?」という心理から起こりましたが今回はマスク不足からなぜかトイレットペーパーもなくなるのではないか??という発想でパニック買いが起こりました。
これは一部のデマによるものともいわれていますが、普通に考えたら分かることがパニックの中では普通に考えられなくなります。トイレットペーパーの買い占めは最低限の生活を送りたいという欲求からきているともいわれていますが、興味深いですね。ちなみに僕はいつもいらないくらい常備しているのでこれもそういう心理から来ているのかも知れません。笑
マスクビジネスは今後も拡大するのか
新たな投資先としてマスクビジネスの成長はどうか?について考えてみると感染対策という観点抜きで国民が求めだすと需要はあると考えられます。
そうなるとミズノなどのファッション性が求められます。ここからブーム化するとすればファッションとしてのマスクが定着すれば成長する要素があります。感染以外に求められる内容を考えると分かるのが、特に女性は化粧を半分しなくてすみます。男性でいっても絶対にマスクを外さないのであれば髭剃りなどを怠る人も出てくるのではないでしょうか。
帽子と同類で考えてみる
ファッションのように身につける代表格といえば帽子です。幼い子供たちにたいしては熱中症対策などで必要ですが夏場以外にも帽子を活用する方もいるのではないでしょうか。
これはファッションの1つとしてもですが、ヘアスタイルを整えるのがめんどくさい場合などに活用されることもあるでしょう。実際僕は髪の毛が伸びていても美容院に行く暇がない場合などは帽子をかぶってごまかすことをしています。これはマスクに似た内容ですね。
新型コロナウイルスの感染対策から始まったマスクが今後ファッションとして、そして若者を取り巻くブーム化が起これば興味深い市場ともいえます。ただそうなった場合は現在大半の方がつけているようなマスクではないマスクをした人が増えますね。
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