2,000万人の貧困者が大きな問題に
2019年、日本では人口の1億2,700万人のうち2,000万人が貧困層になってしまっている。この30年で貧困率は大きく上昇し、日本人の貧困化が深刻な問題になってきている。
貧困と言うと発展途上国だけの問題と考えられがちだが、日本でも貧困は社会問題して大きなテーマとなっている。
貧困には大きく分けて必要最低限の生活も送ることができない「絶対的貧困」と税金などを引き、生活などで自由に使えるお金が国内の平均(等価可処分所得)の半分に満たない「相対的貧困」の2つに分けられ、今の日本では後者の相対的貧困が社会問題となっている。
2012年の調査では?
厚生労働省の調査によると日本の平均所得金額は、2012年の段階で約537万円となっているが、可処分所得は約244万円である。つまり可処分所得が244万円の半分以下である122万円以下となると相対的貧困となる。
そして、2012年には日本人の約16.1%、つまり6人に1人の人が122万円以下の収入で生活しており相対的貧困に該当すると言われている。
特にシングルマザーの2人に1人以上が相対的貧困に該当しており、近年の日本では深刻な社会問題となっている。
また、高齢者の相対的貧困も大きな社会問題となっており、70歳以上になると約26%、つまり4人に1人以上が相対的貧困に該当する。
日本は相対的貧困率が経済大国の中でも特に高いとされている。
2016年になると?
2016年に発表された世界の貧困率比較では、日本は世界で14番目の15.7%となっており、先進国の中では中国やアメリカに次いで3番目で、先進国の中でも貧困率が高いことが伺える。
また世帯構造別で言えば、ひとり親世帯の貧困率は2015年で50.8%となっており、その半数が貧困状態であるとされている。
日本の貧困率の推移を見てみると、1985年から2012年までの相対的貧困率は緩やかに上昇しており、2012年が16.3%とピークとなり、2015年は15.7%でやや低下はしているものの、2006年前と同じような水準となっている。
相対的貧困率の推移の背景
相対的貧困率の推移が上昇する理由として高齢化が関係している。
65歳以上の年金暮らしの世帯が増えたことにより、相対的貧困率を押し上げる要因になっている。
子どもの貧困率が全体的に高いのは、ひとり親世帯の貧困率が高い事が挙げられ、日本では2002年に過去最高の離婚件数を記録したことに最大の要因がある。その後、離婚件数は下降気味にはなっているものの、1997年以前と比べると多いことがわかっている。
これによりひとり親世帯が増加、特に親権の問題から母子家庭が多くなる傾向にある。
このような母子家庭では子育てとの両立が難しいなどの理由から正社員になる割合が父子家庭より低く、非正規雇用で働くことを余儀なくされることが多い。
こうなると給与や待遇面で不利益を受け、ワーキングプア状態になってしまい、収入が少なく貧困状態に陥ってしまうと考えられている。また病気や怪我などになると非正規雇用の場合は収入がなくなる可能性がある。ひとり親の場合は収入源が自分しかいないため、苦しい環境に置かれてしまうこともあるのだ。
貧困の問題解決の為の策はないのか?
今確実に支援の輪は広がっている。
女性のためのキャリア支援、就職支援
職業安定所やハローワーク、市区役所などでは様々なキャリア支援が行われている。例えば「家事や子育てと両立可能な就業・再就職支援」というものがある。
これは家事や育児のために希望する通りの仕事に就けない女性を応援する支援で、就業時間が短い、託児所がある、フレックス制を導入しているなど家事や育児と仕事を両立しやすい条件の仕事を探してくれる制度だ。
同様のものに「マザーズハローワーク」というものもあり、こちらも母子家庭やシングルマザーなどに対して配慮がなされている職場を紹介してくれるものでマッチングしやすくなっている。
シングルマザー支援
シングルマザーの場合は家事、育児、仕事の両立がどうしても難しくなるが、シングルマザーに対しての支援も色々と行われている。
自治体にもよるが、「地域少子化対策重点推進交付金」「ひとり親家庭等日常生活支援」といった形で何かしらの手当や控除が発生することもあるし、訪問型保育制度、ベビーシッター紹介制度、といったものを利用して子どもを預けることも可能になる。
また、こういった支援を積極的に行っているのは人手が足りていない職種が目立つ。
ネット通販などの普及によってますます仕事が増加しているにも関わらず、若い人があまり就かないことから配送業など常に人手が足りていない。
こういった企業や業界ではシングルマザーを支援するような活動が盛んで、託児所の設置や勤務時間の個別化などがどんどん行われているため、支援が行われている業界から仕事を探すのも有効的であると言えるのではないか。
貧困の罠に陥らないために今行うべきことは?
一度貧困の罠に陥ってしまうと、そこからなかなか抜け出すことが難しくなる。目先のことに時間が取られ、じっくりと将来に事について考えるゆとりもなくなり、時間だけが過ぎていき、結果的に、年齢とともに労働環境を含めた選択肢が狭められていく。
そうならない為には?
・今行動すること!
・問題を先延ばししないこと!
・何事もすぐに片付けることを習慣化する!
・人に流されず、常に自ら考えること!
・自らの付加価値を最大化するスキルを身につけること!
・お金の入り口を幾つかにわけてもっておくこと!
・入ってくるお金の一部を貯蓄し、積み立てることを習慣化させ、時間を味方につけ、お金にお金を稼がせるということを理解し実践すること!
実践あるのみなのだ。
今後もAI TRUST編集部として、何処よりも早く大切なヒントを皆さんにお伝えし続けていく。この点にも是非期待してほしい。
ヒントは毎週メルマガでも配信しているので、まだ登録していない場合は、今すぐ下記から登録をどうぞ!!
毎週1回情報をまとめてお送りします。
AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!