バイザルーマー・セルザファクトとは?
マーケットは投資家心理で動いています。これをご存知の方は多いでしょうが、報道よりも早く株価、為替、暗号資産が反応する場合があります。
その時に起こっている市場心理は「バイザルーマー・セルザファクト」という有名な言葉があります。これは、日本語でいうと「期待で買われて事実で売られる」ということです。
では、このバイザルーマー・セルザファクト(期待で買われ、事実で売られる)について実際の例で説明していきます。
日本の緊急事態宣言発令前と後で起こった
4月18日:全国で緊急事態宣言が発令されてる状況ですが緊急事態宣言の準備段階とその後で日経平均株価は反応しています。
4月6日:朝、緊急事態宣言の準備を行う報道流れる
実際に発令されたのは4月7日の19時ですが4月6日の緊急事態宣言に向けての準備報道でマーケットは動き出しました。
” 期待で買われる(バイザルーマー)”
なぜ、期待で買われるのか?というのは日本への対応への好感と悪材料よりも好材料への期待です。この段階では、「日本もいよいよ緊急事態宣言を出して動き出すぞ」といった期待から買われています。
この4月6日の時点ではいつ緊急事態宣言が発令されるかは不明でした。
緊急事態宣言発令後のセルザファクト
4月7日19時に安倍首相が記者会見にて緊急事態宣言を発令されました。
この後に4月6日から上昇を続けていた日経平均株価は下落しました。
” 事実で売られる(セルザファクト)”
期待感からの買いを入れていた投資家の利益確定の売りも出ていると思われます。
このような現象は今回だけでなく度々登場します。
準備期間から発令まで報道が多かったので、混乱された方も多いでしょうが、まとめますと以下の通りです。
4月6日朝:緊急事態宣言準に入っていることが報道される
⇒ 期待感から日経平均が買われ出す。
4月7日夜:緊急事態宣言発令、安倍首相記者会見
⇒ 少し膠着状態となる
4月7日NYタイム:一度高値を抜くがフェイクとなり暴落
⇒ 騙し上げ後の結果セルザファクト(事実売り)
簡単にチャートも見てみてください。
1時間足(バイザルーマー)
青縦線は安倍首相記者会見時、5分足(セルザファクト)
画像をご覧いただくと分かるように記者会見終了後「騙し上げ」が起こっています。
まだ上げる!と見せかけて落とす形です。
このようなフェイクも含まれますので綺麗にトレンドが出てからでも遅くありません。
注意:毎回起こる訳ではない
このようなことを知るとよし!やってみようという考えが出ます。
ただ毎回起こる訳ではありません。
先ほどの日本の緊急事態宣言。
これはマーケットに材料がなかったために話題に上がりましたがそれ以上の材料があればどうでしょう?
例えは悪いですが、空爆が起こったとします。マーケットの話題はそちらで持ちきりになるはずで逆に「リスクオフ」の観点から売られる材料となります。
このように毎回マーケットには何らかの ” 話題 ” がつきものです。投資家としては、取ってつけたように感じる話題であっても反応する場合があります。
動き出した背景には必ず何かが動き出しています。
株、為替と暗号資産では違う場合があります。(同じ場合もあります。)
この見極めは慣れるまでは難しいですが、常日頃から世界情勢を把握しておくことは重要です。
暗号資産のバイザルーマー・セルザファクト
暗号資産で分かりやすいバイザルーマー・セルザファクトがあります。
半減期やハードフォーク、そしてバージョンアップ情報です。
・半減期期待で買われる
・ハードフォーク前に買われる
・バージョンアップ前に買われる
このように期待で買われます。そして事実で売られる。
売られない場合もありますが一旦は下落することが多いです。
これらを知るには日頃から暗号資産の情報を得ておく必要があります。
もうすぐビットコインが半減期を迎える
しかし、その前に4月8日にビットコインキャッシュ、4月10日にビットコインSVが半減期を迎えました。これは既に終了していますがここでもバイザルーモア・セルザファクトが発生しています。
ビットコインキャッシュは当日大きく上昇しました。
ビットコインSV半減期後は大きく下落しました。
他の暗号資産も巻き込まれる形となっています。
そして今年はビットコインを含めたアルトコインも半減期ラッシュといってもいい年です。
これらの情報を元に投資のヒントにするのもいいですね。
2020年半減期一覧
ビットコインキャッシュ:4月8日(当日大きく上昇)
ビットコインSV:4月10日(その後大きく下落)
ビットコイン:5月
モナコイン:8月
日付時期についてはズレる可能性があるので詳細は控えますが注目するべき内容です。
半減期で価格が上昇するやしないなど様々な憶測が流れていますが期待で買われる可能性は高いということです。これは過去に何度も起こっている「マーケットの話題」になっているということ。
マーケットは常にテーマがあります。
そのテーマへの期待や事実への失望、そして事実が予想以上によかった際のさらなる好感などさまざまです。常に株、為替、暗号資産どれにおいても世界中の多くの市場参加者の心理、テーマで形成されているということは認識しておきたいですね。
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