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【深刻な新興国通貨】新型コロナウィルスの影響と注意点

新型コロナウィルスの世界通貨の影響

新型コロナウィルスでパンデミック状態。

日本もですが、アメリカやイタリア、スペイン、ドイツなどの欧州、そして最近ではロシアで感染が爆発的に増えています。そんなパニックの中、世界の中で目を向けられていないのが新興国の存在です。

データとして新型コロナウィルスの感染者数、死者数は把握出来るものがあるものの果たして正確な数字でしょうか。

先進国が自国の対応でパニックに陥っており、新興国でも同様の事が起こっていると想定しても不思議ではありません。

今回はそんな新興国通貨について焦点を当ててみます。

新興国通貨とは

日本、欧州、米国などを先進国と言いますが、そもそも新興国とはなんでしょうか。

新興国は、現時点で経済水準はまだ低いものの、高い成長性を秘めた国々のことです。

具体的には中南米、東南アジア、中東、東欧などの国々のことを新興国と言い、そこで扱っている通貨を新興国通貨と言います。

新興国の中で、注目される国は以下のようにグループ分けされています。

BRICs:ブラジル、ロシア、インド、中国
VISTA:ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン
ネクスト11:イラン、インドネシア、エジプト、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、大韓民国

各グループ分けの由来は以下の通りです。

※BRICs;ゴールドマン・サックス社が2003年に発行したレポートの中で用いて以来、一般にも広く使われるようになる

※VISTA:BRICs研究所代表の門倉貴史氏の発案によるもの

※ネクスト11:政治情勢や人口の伸び率、教育水準などから、先進諸国と比較して長期的な成長余力が大きいと考えられる11カ国の総称

リスクオフで新興国通貨は売られる

マーケットでネガティブ要因が出た際に起こるのがリスクオフです。

これはリスクをあまり取らずに安全資産へ逃避する動きの事を言いますが、逆にリスクをとる状態をリスクオンと言います。

リスクオフ相場とは今回の新型コロナウィルスのような何が起こるか分からない事態です。

このような時には投資家はドル、円、スイスフラン、ゴールドなどへ逃避する動きが出てきます。

理由は、「何が起こるか分からないなら無難な金融商品に変えておこう」という心理からくるものです。

このリスクオフの動きも毎回同じとは限らず、円が買われない状況が起こるなど少しずつ変化が出ていますが、変化が起こっていない事もあります。

” 新興国通貨が売られる ”

新興国通貨はハイリスクであるため一旦ドルや円に戻しておこうという動きが出るので今回のようなリスクオフ相場では下落することが多い。

外国為替証拠金取引(FX)をされる方ならご存知だと思いますが、豪ドルの反応を追いかけることで現在リスクオン、リスクオフどちらに傾いているかの把握がしやすいです。

新興国の状況分析

新興国はどのように経済を回しているのでしょうか。新興国の現状を把握することで今後起こりうる事も想定できるのではないでしょうか。

観光産業
タイ・ギリシャ・香港・シンガポール・ポルトガル
⇒ 日本もインバウンドで打撃を受けているが観光で成り立つ国は人の移動制限によって大きな影響が懸念される。

貿易依存国
香港・シンガポール・ベルギー・ギリシャ・東欧諸国
⇒ 観光産業同様移動の制限、まずは自国を守る流れが出ると経済落ち込みリスクが高まっている。

対外資金流入国
アイルランド・オランダ
⇒ 金融市場が活性化しないと厳しい。

グローバル化が加速する中での新型コロナウィルスは非常に打撃が大きい国も多く、サプライチェーンといって自国だけで解決せずに他国との協力関係で成り立つ産業の見直しが出てくる可能性も高くなっています。

4月20日にNYWTI原油価格が歴史上初となるマイナスを記録しました。

これは原油産油国はもちろんだが世界経済に大きなマイナス要因となり当然新興国通貨にとってもマイナスな要因。

過去人気だった新興国通貨買い保有でスワップ生活

少しリーマンショック前の話に戻します。

新興国通貨はスワップ金利が高く人気でした。
これは買いで保有しているだけで日々小銭が増える仕組み。

国内の取引所でも扱えるトルコリラ円などが人気で「スワップ金利のみで悠々自適な海外生活」といったブログなどが増え個人投資家の多くが参戦しました。

2007年のトルコリラ円は100円。為替差益でも買いでプラス、そしてスワップ金利もつくのでさらに資金を増やす人が増えました。

しかし、2008年のリーマンショックで大暴落。
追い討ちをかけるように今回のコロナショックや政策金利の低下もあり2020年4月22日時点で史上最安値15円台となっています。


参照:https://www.tradingview.com/symbols/TRYJPY/?exchange=OANDA

スワップ金利が入ったとしても今から購入する価値はあるでしょうか。トルコリラ円だけでなく、国内で取引可能な南アフリカランド円なども同様に史上最安値をこのタイミングで記録しています。

ドル不足、ドル需要が高まる

新型コロナウィルスで起こったのがドル不足です。

これは世界中がドルを必要とした動きです。

基軸通貨であるドル、では新興国通過は売られ、ドル需要は今後も高まる可能性があります。

理由はドルを持っていればいつでも他の通貨や金融商品に替えることができるという心理的な安堵感もあります。

米国は現在緩和策でドルを増やしています。

これが良い悪いは抜きとしてドルを求める動き、有事のドル買いは頭に入れておく必要がありその反面新興国通貨は売られるということです。

新興国通貨が紙くずになる可能性も

新興国通貨が売られるとどうなるのか?

トルコリラ円や南アフリカ円のように価格が下落し紙幣としての価値が落ちます。

そうなると極端な話ジンパブエのように紙幣を大量に積んでようやくジュースを購入できるという状況は考えられます。

新興国といっても様々な国が存在しますが、通貨で言えばある程度、先進国、新興国で一括りして視野を広げてみるのもまずは重要です。

慣れてくると各国の政策、そして通貨に深堀りしていくことでさらに深い視点も得ることが可能です。

今後の各国の通貨はどうなるのか?

今何を保有するべきなのか?

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