週間市場動向

南海トラフ大地震、金融市場はその時どうなるのか?

先週は日本では宮崎で震度6の地震が発生し、気象庁より「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。

そして、翌日は神奈川で震度5の地震が発生し、本当にまもなく巨大地震が起こるのではないかと思ってしまいます。

相当に注意深く最新の情報を得ていかなければいけませんね。

今回の金融市場パニックの原因は何だったのか?

先週の市場が荒れることは先週のメルマガの中でも伝えていましたが、日経平均は月曜日に過去最大の下落率となりました。

その後急回復していますが、ボラティリティの高い状態は続いています。

今回の金融市場の混乱を改めて振り返ってみましょう。

1)今回の金融市場の混乱

① 日経平均の高値から3週間足らずで25%ぼ暴落

② ドル円の162円から141円台への急騰

③ アメリカ雇用統計の悪化から米国株安

④ 週明けの日本株暴落を受けて暗号通貨市場暴落

⑤ 国債金利が急下落、国債高騰

2)この要因はどこにあった?

① 最大限の理由は日銀の利上げと国債買い額の縮小

② FRBの利下げ先送り&雇用統計悪化

③ エヌビディア次世代先端半導体の納期延期

④ インテル業績悪化から半導体産業への不透明感

⑤ イランのイスラエルに対しての全面報復戦争リスク

3)非常に難しい日銀の3つの判断

①長期金利が暴騰しないほどの小規模な国債買いオペ減額

②円が暴落しない程度に大幅な国債買いオペ減額

③株価が暴落しない程度の小規模の国債買いオペ減額

そして上田総裁の発言内容で③の株価暴落が起こってしまいました

4)暴落の一番の問題はどこにあった?

上田総裁の国債減額についての発言内容は、あくまでも先々減額するといっているだけで
実際には減額はこの後行われていく予定でした。

しかし、実際に減額が行われるということは日銀が流動性の供給を絞ることになります。

世界中でじゃぶじゃぶ借金が積み上がり、紙幣が刷られ続けていますが、FRB・ECBともに財務バランスを縮小させています。

日銀だけが相変わらずばら撒き続けているわけで、これをやめて供給を絞るといったことで、市場が大慌てになったのです。継続的に流動性の供給が締め付けられれば、過剰流動性バブルが崩壊することになります。

昨年3月以降、主要中銀と政府は約27兆ドルと、世界全体のGDPの3割強に相当する資金を市場に注ぎ込んできました。これに伴って世界の株価は85%上昇したのです。

この資金が市場から逆回転すればどうなるか?

当然ながら株も暗号通貨も下落します。BTCはたった1週間で2万ドル下落しました。

これはやばいとなり、海外勢、期間投資家が株を売り、さらにはキャリートレードのポジションを終了させ、急速な円高が起こり、さらには日本株が暴落しました。

暗号通貨市場もこれに巻き込まれた形です。

そして、その後の日銀の内田副総裁の発言で、

市場に影響リスクが高ければ追加利上げは行わない ”

との内容で株価は上昇しました。暗号通貨市場もこれで落ち着きを取り戻し上昇しています。

5)このあと日銀は実際に国債買取減額ができるのか?

あくまでも予測ですが、まずは減額はほとんどできないと思います。

実際に減額することで株式市場や債権市場が混乱したときに、今回の内田副総裁が同様に、” 市場混乱する場合減額は行わない ” と発言することになるでしょう。

6)そうなるとどうなるのか?

① 結果的に再度円安は大きく進みます

② 過剰流動性相場は続きますので、BTCは100日アノマリーを迎えて高値に向かっていくと考えます。

③ 外資のキャリートレードは再開され、日本株の買い越しに回り、日本株も安定すると思います。

ただし、これは1年とかの短期的な動きであり、長期的なスパンで考えた場合、全く違うものになると考えます。

南海トラフ地震が起こると金融市場はどうなるのか?

今回の宮崎の地震で、南海トラフ地震の巨大地震注意が出ています。今年は大きな地震が日本各地で頻発していますし、いよいよきそうな感じもします。

注意が出ることで、改めて備えを行い、食料品や水の備蓄に改めて気がつきますから良いのですが、早速店頭からの品切れも続いているようです。

東日本震災の時には金融市場で何が起こったか?

まずは為替市場では急激な円高になり、過去最高値の1ドル76円台をつけました。

理由としては

① 生損保各社の外貨資産換金

保険会社が契約者に保険金を支払うためには、多額の現金を円で用意しないといけません。契約者から受け取った保険料の一部は海外の株式や債券で運用しているため、これらを売却して円に換えるとの見方が強まりました。

② 投機筋の売り

投機的な売買をする海外ファンドがそういううわさが流れていることに乗じ、大量の資金を投じて円相場を動かしました。震災の混乱で売買注文が少ないことも相場が動きやすい一因です。

では、南海トラフ地震が起こればどうなるか?と言えばリスク回避の動きの中で、キャリートレードのポジション解消の動きは進むでしょう。

このボリュームがどの程度になるかによってかなり大きな差となると思います。

株式市場はどうなったか?

東日本大震災が発生したのは大引け間近の午後2時46分でした。

直後から売り注文が殺到し、10分あまりで100円以上下げ幅が拡大し終値は前日比179円安の1万0254円と約1カ月半ぶりの水準で取引を終えています。

外国人投資家などがリスク回避のため保有株を圧縮する動きを強めました。損害保険各社の株価も急落しています。

翌週14日(月)は寄り付きから大震災が企業業績に与える影響を懸念した投資家の売り注文が殺到。機関投資家が3月末決算を控えて利益確定売りを増やす動きもあり、終値は前週末比633円安の9620円と1万円の大台を割り込みました。

福島第一原発3号機での爆発事故が報じられた東京電力株はストップ安となり大引けまで取引が成立しませんでした。

15日(火)に福島原発事故による放射線量の異常な上昇が伝わると投資家が保有株の換金売りを急ぎ、午後に入って日経平均の下げ幅は1400円に迫りました。東京証券取引所第1部上場銘柄の97%が値下がりし、終値は1015円安の8605円です。

下落率(10.55%)は1987年のブラックマンデー(暗黒の月曜日)、2008年のリーマン・ショック後に次ぐ過去3番目となりました。東証1部の売買高は約57億7700万株と過去最高に達し、この記録は日銀の黒田東彦総裁が「異次元緩和」を打ち出した2013年4月5日まで破られませんでした。

南海トラフ地震が起こった場合、東日本地震よりも経済に対しての被害は甚大だと考えられます。

当然のことながら、株価への影響は甚大なものになり、特に今のようにボラティリティが高い状況であれば、下落幅、下落率ともとてつもなく大きなものとなるでしょう。

少なくともこのあとの1週間は日本株への投資はより慎重な姿勢が重要になります。ご注意ください。

今回の過剰流動性バブルは日銀バブル

FRB・ECB・日銀という世界の主要中央銀行の中で、日銀のみ引き続き国債を買い、株式を買い資産を膨らませ続けています。

ECB・FRBともにコロナ禍にばら撒きを行い、国債を買い上げ資産を膨らませましたが2022年から急速に資産を減らしています。量的緩和を終了させて、金融引き締めを行ったわけです。

今の世界的な株価やさまざまな資産上昇の一番の根幹にあるのが、日銀という日本の中央銀行が作ったバブルであるという認識をもっておくべきでしょう。

流動性が中央銀行から直接に供給され、しかも、政府国債を直接買い支えました。その結果、財政もばらまかれ、民間金融機関から国債を吸い上げました。

1987年のブラックマンデーのときは、10月19日月曜日のたった1日でアメリカのダウ30種平均株価は22.6%も下がりました。この動きは先週から今週頭にかけての日経平均の暴落を彷彿させます。

世界大恐慌の時には暴落が始まった1929年10月から1932年7月までにアメリカの株価は89%下落しました。

そして、1929年9月のピークを超えるのは、1954年11月ですので、25年間かかったのです。日本ではないですが、アメリカ株にも失われた25年があったのです。

今回の日本株の急落の要因は日銀の突如とした金融引き締めにありました。

市場の流動性が吸い上げられるリスクから、急激に株価は売られ、レバレッジをかけた個人投資家が巻き込まれ売りが売りを呼ぶ展開になりました。

為替市場ではキャリートレードの急速な戻しが発生し、急速な円高が進みました。

日銀は金融緩和政策もこの後も何も変更できないと思いますが、金融緩和が続いている間はバブルが続くことで株価は短期的には再度上昇するでしょう。

しかし、長期的にみた場合、日本の財政悪化、積み上る借金、資産を減らせない日銀の状況を見て、世界の格付け機関が日本国債の格付けを下げた時には大パニックが起こると確信しています。

① 日本金融市場のバブル崩壊
② 株式の暴落
③ 日本円の短期の上昇、そして長期には大幅下落
④ 日本国債市場の混乱、日本国債金利の急上昇

現在はこれらすべてが起こりかねない条件がそろっているといえます。

そして、実際にこれらのことが起これば、実体経済は大混乱に陥り、個人消費は冷え込むどころの話ではないレベルに下落します。

日本のトルコ化、アルゼンチン化がそのタイミングで一気に進むことになります。

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・現在金融市場で何が起こっているのか?

・このあと金融市場でどのような動きがあるのか?

・ビットコイン、暗号通貨市場はどうなるのか?

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