週間市場動向

植田日銀ショック、日経平均大暴落!!

金融市場全体が大混乱に陥っています。

2日間で日経平均が3,192円下げた日本株式市場ですが、日経平均は先物市場で1,120円、3.12%の大幅安の34,800円ですので、週明けの日本株も大幅安になりそうです。

日銀 植田ショック

この下げの一番の要因は日銀の植田総裁によるサプライズの利上げです。

日銀会合で利上げを急ぐ必要があったのか?

円安に歯止めをかけるためには必要だったことは理解できますが、株式市場に与えたダメージ、日本経済に与えたダメージ、日本株に投資を行う投資家に対してのダメージは強烈です。

先々に ” 日銀植田ショック ” という形で語り継がれるのではないかと考えています。

仮に先物市場の価格の34,800円とした場合、7月11日の42,460円から既に18%の大幅安となります。

NASDAQの金曜日の下落幅は2.38%と非常に大きなものでしたが、7月11日の20,675に対して18,441と10%程度の下落幅にとどまります。

日本株はアメリカ株のボラティリティを倍にしたような状況です。

週明けの市場は相当に荒れることになりそうですが、冷静に企業業績を見た場合、アメリカの大手テック株の業績、そして見通しは堅調です。

AI関連株は安く買い直しを行うタイミングを見極めれば数年単位で考えた場合のリターンは非常に大きなものになると考えますが、この見極めが本当に重要なポイントです。

エヌビディア新型半導体に遅れ!!

エヌビディアの次期AI半導体であるブラックウェルシリーズが設計上の不備で遅れる見込みだと、同半導体とサーバー・ハードウエアの製造に関わる匿名の関係者が話をしたとニュースが入りました。

こちらは非常に気掛かりな情報です。

この半導体は3カ月以上遅れる可能性があり、メタやグーグル、マイクロソフトなどに影響が及ぶ恐れがあります。

今のAIブームの主役はまさにエヌビディアであり、エヌビディアがアメリカ株の上昇を牽引してきました。

このニュースを嫌気されて、今日の夜のNY株でAI関連株、大手ハイテク株が大きく売られ、NY株が更に下がる展開になれば、火曜日の日本株もそれに引きづられる可能性は高くなります。

金融市場全体が相当大きく混乱が広がることも少し覚悟をする必要もありそうです。

米国株下落 過去の事例を見ると?

9月のFOMCでの利下げはアメリカの雇用統計が急速に悪化したことで確実になったと思われます。そして、0.25%の利下げではなく、0.5%の可能性もあります。

更に言えば、今週米国株が大きく下落するようであれば、臨時の緊急利下げが行われる可能せも出てきました。

そして、過去の全てにおいて、失業率が1年で0.5%以上上昇すると、アメリカ経済はリセッションに陥っています。

昨年の7月のアメリカの失業率は3.5%でした。

先週の金曜日に発表された最新の失業率は4.3%まで上昇し、0.8%も上昇していますので、アメリカ経済はこの後急速に悪化するリスクが高いです。

景気が悪くなれば、当たり前のことですが多くの企業業績は悪化します。企業業績が悪化すれば、株価は下落します。

利下げに踏み切れば株価は下がる可能性が高い

そして、こちらも非常に重要な点となりますが、1970年からの過去7回のパターンを見る限り、景気低迷の対応策として利下げを開始すれば株価にはマイナスに、債券にはプラスに作用しています。

FOMCが最初の利下げに踏み切ったタイミングで、株価は下げる可能性が高いのです。

この理由は、経済データがソフトランディングではなくハードランディングを示唆する中での政策転換だからです。

2024年は過去とは非常に重要な違いがあります。

米国株は今年大きく上昇し、リスク資産が利下げを先取りしてきた度合いが極端に高いです。ですから、この反動が非常に大きな形で来る可能性も高いのです。

7月のFOMCでの利下げを行わなかったことは先々パウエル議長の大きなミスと言われる可能性が高いです。

来週末にZOOMセミナーを開催します!

長期的な視点で見れば、株式市場においてのAIというテーマは確実に続きます。

個別銘柄の長期的な成長は期待できます。しかし、どのような優良銘柄であっても、市場全体が大きく下がる時には下落をします。

マクロ経済状況を理解し、俯瞰をして見切れれば、今ある状況は非常に大きな投資のチャンスになると個人的には考えています。ただし、本当にタイミングの見極めが重要になります。

このあとは経済危機、金融危機のリスク回避についても重点をおきマーケットトレンドリサーチの中で日々解説をしていきます。

今週の世界経済、金融市場の動向を見た上で、来週末にZOOMセミナーで状況解説も行います。

こちらもマーケットトレンドリサーチ利用の皆さんは無料で参加できますので楽しみにお待ちください。

新NISAを今年から始めた人はほぼ全員が含み損、日本の景気悪化加速の要因に?

仮に日経平均が先物価格の34,800円となった場合、これは年初の日本株の水準ということになります。

ということは、日本株に新NISAで今年から投資をしている人たちは既に全員が含み損になっています。

毎月積立て購入しますので、単純計算で10%程度の含み損になっていると思います。

オルカンを選択している人も、世界株全体が調整していますし、急速な円高のために含み損になっている可能性が高いのではないかと思います。

過去のバブルを経験したことがない20代、30代、40代といった層が、初めて含み損を経験したとすると、相当に心に大きなダメージを受けて、無駄な消費を避ける行動につながるでしょう。

そして、新NISAではなく、通常の株式投資をしている人たちも、先月上旬までの含み益によってあぶく銭を使っていたでしょう。

これがいきなりこの下落ですから、これがしばらく続くようだと高額消費も一気に萎むと思います。

日本経済は急速に悪化する可能性は高く、相当に慎重な投資行動、消費行動が重要です。

やはり植田日銀による利上げは、さまざまな意味でトリガーを引いてしまったように感じます。

4大都市圏の不動産価格は今が天井の可能性大

日銀が利上げを行ったことで住宅ローン金利も上昇します。

金利が上昇したことで住宅ローンを組める額はトータル支払額が増加することで減少します。

高額マンションを購入できる層がそもそも減ります。

日本の不動産価格も今が天井である可能性が高いと考えます。

その理由は5点あります。

① 利上げ*株安の影響で、富裕層、パワーカップルのマンション購入意欲も減速します。

② 不動産価格上昇の最も大きな要因の一つであった転売目的の不動産業者の買いも慎重になります。

③ 円高が進んだことで海外勢の買い意欲も減退します。

④ そして、もともと転売目的だった買い手が金利上昇リスクから売りに回ります。

⑤ このあとは市場により多くの不動産が出回るようになり需給バランスが崩れる可能性が高いです。

ということで不動産価格は今が天井で、このあとは調整していくように思います。

来年以降の価格は、この後来るリセッションの状況次第で変わってきます。

不動産の購入を考えている人は今は慎重に様子を見ることが重要だと思いますね。

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