こんにちは、元旦に起きた能登半島での震災に対して心からのお見舞いを申し上げますとともに、被災された方の無事と1日も早い復興をお祈りいたします。
元旦の巨大地震、そして2日の羽田空港での事故と、2024年は非常に先行きを不安にさせることが起きています。
世界に目を向けても、イスラエルの内戦は周辺国にも飛び火し始めており、ウクライナ戦争ではロシアが再度の攻勢をかけています。
アメリカの大統領選はトランプ優位の状況が続きますが、先週はトランプの企業が中国等から多額の資金を受けていたことも判明しています。
このような状況でなぜトランプを応援するのか?
本当にアメリカは分断し、世界も分断の方向に向かう流れが加速しているように感じます。
世界秩序の変化に対処するための原則 レイダリオ
今年最初に読んだ本は「世界秩序の変化に対処するための原則」になりますが、この本は長期的な投資指針を決める上で非常に役立っています。
過去の歴史でどのようなことが起こり、金融市場に与えた影響がよく理解できます。長期的なリスク回避、リスク管理という意味で非常に役立つ1冊であり、内容的には少し難しいですが、読むべき1冊だと思います。
■レイダリオとは?(ウィキペディアより)
レイ・ダリオ(Ray Dalio、1949年8月8日 – )はアメリカ合衆国の投資家・ヘッジファンドマネージャーである。1971年にヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエイツをニューヨークで創業し、2013年には世界最大のヘッジファンドとなった。同ヘッジファンドは2021年現在で1000億ドル以上の運用資産を有する。 リスクパリティ・為替オーバーレイ・ポータブルアルファ・グローバルインフレ連動債運用など、資産運用における革新的手法の提唱者である。
ブリッジウォーターは卓越した運用成績をあげ続け、レイダリオ氏の発信する情報は非常に投資に役立っています。
投資家にとっての最悪の経験 投資資産価値が90%以上失われる
本の中で非常に驚かされた点がいくつもあるのですが、特に印象的だったのは、1900年以降、20年ごと区切った時、それぞれの時代の10の大国であっても、非常に大きな投資のマイナスというのが、何度も何度も起こっているということです。
新興国や途上国であれば、当然ながらそのようなリスクはあるのは理解できるのですが、それぞれの時代の10の大国で起こっているのです。
それぞれの年代で世界の主要10カ国で株式60%、債券40%で投資を行った場合に、実質リターンが20年で40%以上のマイナスになったケースが挙げられています。
1900年以降で、ロシアで1回、中国で1回、ドイツで2回
日本で1回、オーストリアで1回、フランスで3回、イタリアで3回
インド、スペイン、イギリスで1回あります。
しかも全15回の中で、90%以上の資産が失われたパターンが6回もあります。90%以上の資産が失われるというのは、暗号通貨市場、アルトコインでは理解もできますが、上場株と国債を保有して90%以上が失われた事実に非常に驚かされます。
そして、重要な点はこれらはそれぞれの時代の世界の10の主要国だということです。
例えば1990年台にロシアは国家破綻していますし、トルコやアルゼンチンはハイパーインフレになって当然大きな投資マイナスになっていますが、それぞれの時代の主要国に入っていませんので、ここには記載されていません。
日本では1928年から1948年の間に、第二次世界大戦後の急速なインフレと預金封鎖により、市場再開後、日本市場と円という通貨は破綻し、96%以上の価値を失いました。
ロシア、中国、ドイツでは、なんと100%の資産が失われています。ハイパーインフレがあり、資産の没収があったからです。
過去100年に資産の没収を行った大国
これも驚く内容でしたが、世界のその時々の10大国で何度も資産没収を行っています。
アメリカは2回、中国は2回、ロシアは3回、ドイツ、イタリア、日本が1回ずつです。
戦争や紛争、国内混乱等で度々個人の保有する資産は国、その時の政府に没収されています。20年間での投資の酷いマイナスとは別で、資産が没収されています。
国の混乱時にはそれを察知した層はそれぞれの国から退避し、更には資産もそれぞれの国から退避させています。
大抵の場合、資産移動の制限が行われており、それに間に合わなければ資産の大幅減及び没収され、多くの国民は極貧化していきます。
ちなみに戦争時には、株式市場が閉鎖されることが多々あるため、本来であればインフレにある程度の耐性のあるはずの上場株も、意味をなさなくなります。
市場が閉鎖されれば売買ができず、流動性がなくなり、換金できません。換金できない間に価値が激減するのです。
資産を大きく失うリスク、資産の移動が規制されるリスクについては2024年は改めて真剣に考える年なのかもしれません。
” 今の時代、そんなに大きな戦争や紛争、災害が起こるリスクは低いのではないか? ”
と考える人も多いでしょうが、アメリカの国力が衰えている今のタイミングにトランプが大統領に再選される可能性が高まっていること。
そして、不動産不況問題はありますが、確実に国力を伸ばしている中国。両国の国力の差が近づいているタイミングと重なることが、非常に不気味に思えます。
10日 BTC現物ETF承認の可否
今週10日には、アメリカでBTCの現物ETFの承認の可否が発表されます。
先週の段階で、すでに申請に対しての要件は揃ったとも発表されていますので、承認される可能性は高いです。そして承認されれば、機関投資家の資金が継続的にBTCの買いに向かうことが予想されます。
過去の歴史においては戦時中は金(及び銀)が世界で通用する唯一の資産となったそうです。
これからの時代を考えれば、BTCはその役割の一旦を担うと思われます。
不確実性、リスクの高まる混迷の時代だからこそ、住む場所、住む国も含めた、長期的な視点からの将来設計が重要な時代となりますね。
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