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化石燃料時代の終焉

BP(旧ブリテッシュ・ペトロリアム)が化石燃料終焉を予測

英メジャー(国際石油資本)BPは、石油需要の拡大が絶え間なく続く時代は終わったとの認識を示しました。今後10年以上続くと考える向きが多い時代の終焉(しゅうえん)を認めたスーパーメジャーはBPが初めてとなります。

しかし実は今から10年以上前からこれは予測されていたことでした。世界はエコエネルギーへのシフトを加速化しており、この分野におけるイノベーションには目を見張るものがあり、エネルギーシフトは、もはや時間の問題となっているのです。

エコエネルギーとITビジネスの類似点

再生可能エネルギー、エコエネルギーはITビジネスと構造がよく似ており、場合によっては限界コストがゼロに近づくことで、爆発的な普及を実現する可能性すらあるのです。石油メジャー自身が、エコエネルギーのシェア拡大と石油需要の大幅な減少を予想しているという現実を深く理解し、考える必要があります。これから大きく成長する投資先も世界で数多く見つかる可能性が高いわけですから。

BPは毎年、エネルギー需要に関する報告書を公表していますが、2020年版はこれまでになくエネルギーシフトに踏み込んだ内容でした。報告書では、二酸化炭素の排出量削減が順調に進んだ場合、2020年代後半から再生可能エネルギーのシェアが急上昇し、2035年には20%を突破、2050年には40%以上が再生可能エネルギーで賄われると予想しています。

石油・石炭利用の急減

BPの報告書では、天然ガスの需要はしばらく微増が続き、その後、減少に転じるとの見立てですが、石油と石炭の需要は今後、急減するとしています。世界のエネルギーを支配してきた石油メジャーの1社であるBPにとって、再生可能エネのシェア拡大は、自社の存亡に関わる問題となります。

これまでも、同社は再生可能エネのシェア拡大を冷静に予想してきましたが、今年に入ってその見立てを大きく前進させた理由は、新型コロナウイルスによる感染拡大があります。

BPではコロナ禍のあとの世界経済について、数年かけて部分的に回復すると予想しており、大幅に低下した石油需要も徐々に戻るとしています。しかし、再生可能エネの普及に加え、ポストコロナ社会の進展によってエネルギー消費全体の伸びが鈍化するため、石油の絶対的な需要はむしろ減少すると指摘しています。

二酸化炭素の排出量削減が目標通りに進むことが前提条件とはいえ、石油メジャーがこうした報告書を公表したことの影響は大きいと考えるべきでしょう。日本では再生可能エネルギーへのシフトはまだまだ遅れていますが、時代は確実に変わっていることを認識する必要がありますね。

世界有数の天然ガス産出国カタールでは、国をあげて脱石油資源プロジェクトに取り組んでおり、同国が計画している太陽光発電所の出力は800MWもあり、中規模の原子力発電所に匹敵する水準です。ここで注目すべきなのはそのコストで、すでに現時点で同発電所のコストは天然ガスを使った火力発電を大幅に下回っているのです。

中東は砂漠が多く晴天率が高いという好条件を考慮に入れる必要もあるが、天然ガスが無尽蔵に採れるカタールですら、石油系のエネルギーはもはや割高だということなのです。

日本での可能性は?

日本の平均した日射量であっても、フィット制度の価格ではなくても、採算が十分にあう時代がくるでしょう。その理由は、太陽光を中心とした再生可能エネのビジネスはITビジネスとの類似性が高く、限界コストが限りなくゼロに近づく可能性があるからです。

ITビジネスは従来型ビジネスとは全く比較にならない効率性があります。ITビジネスは限界コストが限りなくゼロに近くなるという特徴を持っており、従来のビジネス基盤をたびたび破壊してしまっています。

従来型ビジネスは生産量を2倍にするためには、単純計算でコストを2倍にする必要があります。トヨタが自動車の生産量を2倍にするためには、2倍の生産ラインを構築する必要があるわけです。しかし、ITビジネスは必ずしもそうとは限りません。グーグルは利用者を2倍に増やすために、2倍のコストをかける必要は一切必要ありません。

もちろんサーバーなどのインフラについては利用者の増加に応じて増やす必要がありますが、サービスを利用する人の数が増えるほど便益が増え、そのサービスの価値が高まる効果によって、勝手に利用者数が増え、コスト以上に収益が拡大していく収穫逓増モデルとなっているからです。

太陽光発電も実は同じメカニズム

実は太陽光発電システムについても同じメカニズムが作用する可能性があります。これまでの電力システムは、電力会社が大型の発電所を建設して、そこから電力を供給する集中電力システムでした。しかし再生可能エネルギーにシフトした場合、理論上は各家庭やオフィスビルなど、あらゆる場所で発電ができ、電力システムは分散型となるわけです。そしてブロックチェーンを活用した電力分散化への取り組みは既に世界でいくつも行われているのです。

このことにより、世界中でおびただしい数の太陽光パネルが生産されることになり、生産コストがこのあとまだまだ劇的に下がっていく可能性が高いのです。初期のパソコンの価格と比較し、現在は10分の1、あるいは20分の1になったことと同じ現象が発生する可能性があるわけなのです。

コンピューターが登場した当初は、1人が1台ずつパソコンを保有するなど、到底考えられませんでしたが、あっという間に常識は変わりました。今はパソコンが1人1台どころか、スマホやタブレット端末を加えれば、1人で2台、3台使っている状況なのです。

太陽光はタダで手に入りますから、ランニングコストは劇的に安いのです。加えてブロックチェーンの活用や、ソフトウェア技術の進歩によって、分散環境でも電力を安定供給できるメドが立ちつつあるのです。かつては電気自動車のバッテリは、大型の専用蓄電池が必須とされ、その開発は難航しました。しかし、EVメーカーのテスラは既存のセルの集合体でバッテリを作り、ソフトウェアで制御することであっという間に問題を解決しました。

分散システムをソフトで制御することの潜在力は大きく、集中システムでなければ電力は安定供給できないという概念に固執するのは危険であり、この点では今の日本は世界に比べて立ち遅れています。

砂漠地帯と比較すれば気象条件は悪いですが、太陽光パネルが急速に普及することで調達コストが劇的に下がることで、トータルのライフサイクルコストは限りなくゼロに近づいていきます。コストがゼロに近づけば、例えば晴天率の低い日本海側であっても、十分に採算があうことになります。

日本の電力の未来は?

現在、日本は年間1兆キロワット時の電力を消費していますが、再生可能エネは最大で7倍の電力を作り出すポテンシャルがあるとされています。経済性を考慮した場合でも、現行の2倍の発電能力があり、理屈上は再生可能エネで全ての電力をカバーできます。

テクノロジーの進歩に対して、冷静に対処できた企業や国家とそうでないところには、埋めようのない格差が生じています。これはIT,インターネットの活用という分野でのアメリカや中国と、日本との大きな差が証明しています。

この分野で劇的な改革をもたらす日本企業の出現に期待したいと思いますが、太陽光発電の機材コストの劇的な低下による家庭での発電についても継続的に注目していきましょう。普段の電気代をゼロにした上で、安定した売電収入が得られることになれば、家計費も劇的にプラスに変化することになるわけですからね。

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