イデコ(iDeCo)とは
イデコをご存知でしょうか。名前は知っている、、程度の方も多いでしょうが、始める人はすでに始めています。
イデコとは、個人型確定拠出年金で簡単にいえば国民年金、厚生年金とは別の積立の年金です。国民年金、厚生年金とは違うのが、希望者が任意で加入するという部分です。
なぜ、公務員がイデコに興味を示すのか
イデコの解説は、後ほど記載しますが、安定している公務員などがイデコに興味を示す、または始めるケースが増えています。この理由は公務員の給料にあります。安定した給料といわれている公務員ですが、退職金や年金は毎年減少しています。
退職金でいえば
2015年
地方公務員:2,443万円
国家公務員:2,167万円
2019年
地方公務員:2,213万円
国家公務員:2,068万円
4年間の間で、地方公務員でいえば230万円、国家公務員でいえば99万円減少しています。そして、公務員にとって大きかった共済年金が2015年10月の改正で、厚生年金と一元化されています。時代の流れといってしまえばそれまででしょうが、公務員畑で勤務している人からすれば、計算外のことが起こっているといえます。ですので、公務員がイデコに興味を示す流れはごく自然といえます。
イデコ(iDeCo)はだれでも始められる?
イデコに仮に加入したら、” 定期預金・保険・投資信託 “ の中から好きなものを選び、毎月一定の掛け金を積み立てることになります。掛け金は、5000円〜。60歳以降に積み上げた資産を受け取る形となりますので、イデコは60歳未満の人しか加入することが出来ません。
しかし、年金法改正で2022年5月から65歳未満の人まで対象が拡大されます。受け取り時期も拡大されます。加入が困難なケースとしては、勤務先で企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入しているケースです。
イデコ(iDeCo)開始の流れ
では、イデコ(iDeCo)はどうすれば始めることが出来るのか?簡単に流れを説明します。
・イデコ専用口座開設(銀行、証券会社など)
・積立の種類を決める(定期預金・保険・投資信託)
・毎月一定の掛け金(5000円~)を積み立てる
・積み上げた資産を60歳以上に受け取る
イデコの積み立てには、メリット・デメリットがありますのでこれも理解しておく必要があります。
イデコ(iDeCo)のメリット・デメリットとは?
公務員で、年金が減る、退職金が減る、だからイデコを始める。この流れに食いつく前に、まずはメリット・デメリットを理解しておく必要があります。
イデコ(iDeCo)のメリット
積み立てた金額すべてを所得控除の対象になる
例:毎月5000円積み立て=年間6万円の所得控除
細かくいえば、イデコを利用すると課税所得が同じ年収でも低くなります。課税所得を低くすることで、所得税・住民税を納める金額が安くなるということです。
運用益も非課税
定期預金・保険・投資信託と積み立てを選べますが、利息や投資信託の値上がりによるキャピタルゲインにたいして税金が一切かかりません。
株式投資などをされる方であればピンとくると思いますが、投資は利益を出すと税金がかかります。株式で20%。100万円の利益を出すと20万円税金で支払う必要があります。運用としての節税効果もあるということです。
イデコ(iDeCo)のデメリット
途中で引き出せない
積立金は、60歳まで引き出せません。急に現金が必要となり、解約して現金化することが出来ませんのでここは注意点です。
元本割れリスクがある
投資信託は、自分で管理が必要な上、元本割れリスクも伴います。さらには、信託報酬という手数料が発生します。
課税される可能性がある
高所得で年金額が多い人や退職金が多い人は、受け取り時に課税される可能性があります。
イデコ(iDeCo)の注意点
ざっとイデコ(iDeCo)のメリット・デメリットを紹介しましたが、イデコについて書いているサイトは多数あります。
しかし、いいことばかり書いているサイトには要注意です。理由は、イデコの口座開設に誘導して報酬受け取り目的のサイトだからです。銀行で相談しても同様でしょう。ですので、「イデコを始めたい」という前のめりのバイアスがかかってしまうと、どうしても物事を冷静に捉えることにかけることがあります。
大切なのは、客観的に見ること、ご自身の現状を踏まえた上で、そしてイデコの現在、将来的な流れを精査していく必要があります。自己防衛策として、イデコが必要な人、合わない人がいますのでその辺の精査も十分に行うべき内容です。
イデコ(iDeCo)を検討すべき人とは?
・国民年金のみの自営業
・退職金がない、受け取り時課税されない
・将来を見据えて、途中解約が不要
一昔前は、安定していた公務員が不安定になっているのは確かですが、これは公務員だけに限られたことではありません。
働き方は毎年変わってきてます。終身雇用は崩れ、転職など当たり前の世の中、さらには政府が副業を推奨する時代。ですので公務員にも当然変化は常に訪れます。年金制度も同様です。ただ、公務員といってもさまざまです。目の前の給料のみでははかりしれない一人、一人の人生があります。
木を見て森を見ずではないですが、ご紹介した、公務員の退職金が減る、だからイデコに加入しようと慌てるのではなく、社会の全体の流れを把握し、本当に必要かじっくりと見つめ直すことも重要なのです。
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