Amazonにみる二極化の未来図
Amazonを利用する人は多いかと思います。一度Amazonを使い始めると本当に便利ですし、日々Amazonをついついみてしまったりもします。そして本や商品を買うだけでなく アマゾンプライムに入り、映画をみて、音楽もアマゾンミュージックを使うようになります。本当に生活の中にAmazonがどんどん浸透していくことがわかります。
それ自体は便利で快適で良いことなのですが、アメリカでのAmazonの雇用状況を見ると 厳しい未来がこの先さらに広がることが理解できます。今回はAmazonのアメリカでの現状から予測できる厳しい二極化の未来図について書いてみたいと思います。
時給1,550円では満足な生活ができないアメリカ
アメリカのAmazonでは時給15ドル(約1550円)ですぐに仕事を始められ、医療保険も完備と約束されてます。そしてAmazonは既に米国で2番目に大きな雇用主です。新型コロナ禍の中で、最も多くの新規の雇用を生み出した企業の1社であることは間違いありません。
しかし、新規に採用されている従業員の実態を見ると非常に厳しい現実が理解できます。Amazonの倉庫従業員の多くは日々の支払いに苦労しており、米政府監査院が調査した9つの州では、同社従業員4000人以上が食料配給券を利用している状況です。
生活支援を必要とする従業員の数がAmazonより多いのは、ウォルマートとマクドナルド、この2つだけです。そして食料配給権受給者の70%はフルタイム従業員だといいます。ようはAmazonでフルタイムで働いたとしても、食糧配給券を日々もらわなければ生活できないのです。
日々1カ所ずつ倉庫を拡張するAmazon
米国内に1日1カ所のペースで倉庫を開設するAmazonは、物流業界の仕事を中産階級の所得が望める職業から、最低限の日々の生活が送れるレベルまで低下させているのです。
Amazonが進出したエリアでは相対的に倉庫業、物流業、配送業の就労者の所得が
継続的に下がっているそうです。
ジェフベゾスの資産は今年に入り65%以上上昇したそうですが、Amazonの現場で働く従業員の実態は満足な生活を送れないという非常に厳しい現実があります。
しかし多くの雇用を作り続けているという役割も果たしているわけで、Amazonが悪いとは決して言いません。厳しい現実がこの形だということです。
厳しい二極化は更に2021年以降も悪化するという現実を重く受け止めるべき
新型コロナ禍の中で、職を失う人も日増しに増加していますが、今後生まれる新しい職の可能性というのは高いスキルがあれば高所得は望めます。しかし高所得を得られるのはごく一部であり、多くの人にとっては厳しい現実が待ち受けていると考えるべきでしょう。
何も考えず行うルーチンワークの作業が多くなり、さらにその仕事は将来的には人工知能とロボットが確実に奪っていくでしょう。Amazonの倉庫もどんどん人の手のかからない形に変わっています。今Amazonの倉庫で働けている人も、将来同じ職場で働き続けられる保障など一切ありません。
今でさえギリギリの生活をしている人たちが、解雇されればホームレス化する率は高いでしょう。新型コロナ禍で日本でも解雇者が日に日に増えていますが、コロナが落ち着いた後、雇用は大きく戻るわけではないと考えるべきです。
今後の日本でも、たとえ職につけたとしても、日々の最低限の生活のみができるレベルでしかない職種がどんどん増えていくのではないか。この厳しい現実社会、二極化は、現在のAmazonを見ると、今後世界でさらに広がるのだなと考えさせられます。そんな厳しい時代だからこそ、個々人が強くならなければいけないわけなのです。
自分の意思で考えることを常に止めないでください。探究心を常に持って、日々成長してください。積み重ねる経験値が、今後の世界では何よりも大切な自らの資産となっていくのです。
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