ドル円が再度145円を超えてきました。
米雇用統計が労働市場の好調を示し、米金融当局の積極的な利上げが今後も続く公算が大きいと判断され、米株3指数は大きく下落し、米10年債利回りは週間ベースで1984年以来最長の連続上昇となりました。
米金利上昇に合わせる形でドル・円相場は145円台前半までの円安となっています。
指定先の利上げは年内は少なくとも続きますし、円安はさらに進むと考えるべきでしょう。
イギリスが政府の政策と金融当局の政策不一致から様々な混乱が起こっていますが、日本は相当にやばい状況にあるということを、改めて自らのリスクとして捉える必要があると感じます。
FOMCは継続利上げに!!
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、政策金利はいずれ4.5%付近に上昇する必要があると指摘しましたが、ここにきてFOMC参加者からのタカ派意見が加速しているように感じます。
金融市場は、FOMCが次回11月の会合で、4会合連続の0.75ポイント利上げに動くとみていますが、12月の会合でも0.75ポイントの利上げを支持する層が増えており、日米金利差はさらに拡大することになるでしょう。
一気に円安が加速すれば、日本の当局の単独為替介入も行われることになるでしょうが、その効果は行うたびに減っていくでしょう。
そして、当然介入に使える資金は底をついていきます。
せっかく積み上げたドル資産を効果が知れている為替介入などに使っている時なのか?
本当に国民に必要とされるエネルギーや食糧確保のために取っておくべきではないかと疑問に思います。
ECBでも大幅利上げ!!
利上げはアメリカだけに限ったことではありません。ECB政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁は、記録的なインフレと闘うためECBは政策金利を引き続き「大幅に」引き上げなければならないとの見解を示しました。
インタビューの中で、 ” インフレ率が10%であるのに、金利はわずか1.25%だ。私にとって行動を起こす必要性は明らかだ ”と発言しており、他のメンバーの意見を合わせて考えても、欧州金利の上昇スピードは、欧州のインフレ率の高さを考えても、この後はアメリカを上回る可能性も高いです。
欧州内の南北経済格差は大きく、高い利上げはイタリア、スペイン、ポルトガルの財務を相当に悪化させ、経済混乱に陥るリスクは広がりそうです。そして欧州域内全体の混乱は想定されますが、日本と欧州の金利差拡大により、ユーロ高円安の流れも加速すると考えておくべきです。
英国債急落・英中央銀行が介入
イングランド銀行は先月28日、英国債の急落に歯止めをかけるため介入に踏み切りました。トラス新政権が日本円換算で約46.5兆円という巨額の資金をつぎ込みながら、成長押し上げにはほとんど効果のないとみられる財政戦略を打ち出したことで、英国債は激しく売り込まれていました。
イギリスでも高いインフレが続いていますが、インフレ退治に向けて、保有する証券の売却に着手すると明らかにしていた英中銀は方針を一転し、急きょ長期債を買い入れました。これにより英国債の利回りは直後に急低下し、価格は上昇しました。急落していたポンドも一時的に上昇・回復しました。
今のイギリスは日本と同じことをしている
イギリスの政府の政策と中央銀行の政策が真逆、チグハグな状態にあり、それを市場に見透かされ、混乱が起こったわけです。今回のこのイギリスの状況を見ると、今の日銀の行っている金融政策にも限界がきていると感じます。
通貨下落を防ぐために利上げを行えば、経済が深刻なリセッションに陥る可能性が高くなります。財源の裏付けがない巨額な金融緩和を行えば、国債は暴落します。今回のイギリスの姿は、国債暴落を抑えるために介入し続けている、10年国債を無制限に買い続けている日本に被ります。
イギリスでは、今年第4四半期のガス先物価格は昨年8月の予想に比べ7倍になっています。イギリスはエネルギーの純輸入国であるため、エネルギー価格高騰により、国民所得は減少し、イギリス経済は貧しくなっています。
エネルギー価格の上昇によって生活が悪化し、生活費の危機が深刻化しています。この姿も日本に当てはめて自らのリスクとして捉えるべきなのです。
暴落するトルコリラ
5日の外国為替市場でトルコの通貨リラが一時、1ドル18リラ台後半をつけ、過去最安値を更新しました。3日に発表されたトルコの9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比83.45%上昇でした。上昇率は8月の80.21%から拡大し、1998年以来の高水準となっています。ハイパーインフレの域に入っていると思います。
なぜこのようにトルコリラが売られるのか? この答えは明確です。インフレが加速しているにもかかわらず、トルコ中央銀行は政策金利を引き下げているのです。9月22日にも1%の利下げが行われたからです。
世界各国の中央銀行は、インフレを抑えるために利上げを行っています。これが当たり前の、常識的な金融政策なのです。
インフレ時に金融緩和を行っていることで、インフレが加速して止まらなくなっているのがトルコの現状です。そして、トルコリラは紙屑になりかけているのです。
年間で倍近いインフレが進むということは、紙幣価値が年間で半分まで下落するということです。
上記のチャートを見てください。
トルコリラはほんの4年でドルに対して1/4以下まで下落しているのです。
間違った金融政策により、こういうことが実際に起きているのです。
日本がトルコの二の舞に??
世界の多くの中銀が積極的に利上げをする中で、断固として低金利を維持する日銀の政策は利回りを求める国内投資家を海外へと追いやり、円の大幅下落につながっています。
過去では円安が進めば日本企業の業績向上期待から外国人投資家による日本株買いは見込めました。しかし今の市場を見ると、外国人買いが入りません。ドル換算で計算した場合、円下落によるマイナスリスクが高過ぎて、日本株を敬遠しているのです。
現在の日銀は二つの矛盾した問題に直面しています。一つは日本国債市場の機能を維持することで、もう一つは円の急落を防ぐことです。
しかし、イギリスやトルコの事例をみてもわかるように、この政策の組み合わせは本質的に持続不可能なのです。
既に状況は最終章に入りつつあると考えるべきです。
円の更なる悲惨な下落はあり得ることだと考えるべきです。そして想像を超えたインフレ、ハイパーインフレが日本で起こるリスクは十分あり得ると考えるべきです。
” 何故日銀は利上げをしないのか? ”
利上げを行えば、預金を持つ国民を利息という形でインフレから身を守ってくれます。
しかし、債務者である日本政府にとって考えれば、利払いが増える、借金がこれ以上できなくなる致命的な金融政策だからです。
金利が上がれば債権者(預貯金を持つ日本国民は預金を通して実質的に国債を保有している)は金利収入が上がりますが、それは同時に債務者の支払う金利が増えるということを意味します。そして、国内最大の借金を抱えた債務者は、言うまでもなく日本政府なのです。
低金利と財政赤字を組み合わせた緩和政策は、現在の世界各国がそうであるように、時間差でいずれ物価高騰・インフレを引き起こします。だからこそ、世界各国は今、そのインフレを抑えるために利上げ、金融縮小を行っているのです。
日本政府はインフレで借金の元本を実質的に帳消しにするのを狙っている?
インフレは借金の元本を実質的に帳消しするものです。トルコのように年間で倍近いインフレが数年続けば、借金は1/2,1/4,1/8.1/16と年々実質的に減っていきます。日本の金融当局の本音としての狙いはここにあるように思えてなりません。
借金が帳消しになって債務者である政府は喜ぶかもしれませんが、債務者の債務は債権者の資産であり、それが帳消しになることになります。日本国民は預金を通して実質的に国債を保有しています。銀行が預金を使って国債を買っているからです。
今の日本の積み上がった借金は、最終的には合法的にインフレという形で、国民の資産と相殺する形で、解消されていくように思います。
その時に何が起こるのか?
今トルコで起こっていることが日本でも起こるということです。
何度も言い続けていることですが、円の暴落も視野に入れて資産分散を行っておくべきです。
そして非常に重要なことになりますが、国外への資金移動の方法を幾つも用意しておくことです。金融機関を使った送金のハードルは非常に高く、厳しいものになっています。これがさらに厳しくなる可能性も高いです。そこに備える必要があります。
そしてインフレに備えた資金を守るノウハウを持つことも大切になります。さらには誰もが実践すべき今すぐにお金を稼ぐ方法を活用すべきです。
20年近く海外に住み、世界中で資金移動を様々な形で行う、自分自身が実践するお金に関しての様々なノウハウを今まさにまとめています。次週はこの辺りを披露させていただきますので楽しみにお待ちください。
” インフレ・円安に打ち勝つ誰もが実践できる最強ノウハウ術 ” です。
為替EA”GODZILLA” 2022年10月3日〜10月9日(運用2週目)
資金を守ために、インフレ耐性のある資産への分散として暗号通貨へ。
そして下落を続ける円からの資産分散としてドルへ。
この2つを両立させる投資の一つとして実際にこの1年半の間、行っている為替EA“GODZILLA”のお話をしてきましたが、
先週改めて新規口座を開設して10,000USDT(テザー)を運用資金として入金。
「完全にシステムに任せて、人は一切何もしない」ことをルールにしてゼロから運用しているトレードの実績・公開解説しています。
今回は運用2週目のレポートです。
9月28日に取ったポジションを10/6に決済しました。
GBPJPYのロングポジションでロットは0.2、
156.165→162.884 で決済、
+928.76 USDの利確となりました。
GBPJPYは先週、一時的に165.540を超えていたこともあり、含み益は1,500USDあたりまで伸びていましたが、システムはまだ上目を目指しすぐに利確はせず、半下落を見せたところでの決済となりました。
今週の+9.2%のパフォーマンスは上出来ですが、
トレンド型のEAですので比較的長いスパン、3ヶ月単位で結果の良し悪しは判断していくのが良いでしょう。
今回は結果として「半下落をすれば利確する」形の動きでしたが、これまでの経験上すぐに利確する場合もあり、複雑にプログラムされたロジックになっています。
また入れるロットについてもタイミングや相場によって緻密に調整がされていて、相場の大きなトレンドを読みながら動いています。
この一連の動きを全て自動で、私たちが寝ている間もやってくれている、というのは本当に手離れよく安心感がありますね。
尚、上記ポジションを決済した後、システムはGBPの下落トレンドの動きを想定し、ショートのポジションを取りました。
週末を迎えた段階で含み益は222USDとなっています。
この後、このポジションをこのEAがどのタイミングで決済するのか、みなさんと一緒に引き続きウォッチしていきましょう。
為替EA”GODZILLA”の概要を知りたい方、こちらのフォームからご登録ください。
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AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!