ツール解説市場に立つための必須ツール
Guide / 画面の読み方リスク要因ツール 使い方マニュアル
いま何を警戒し、どこから手を付けるか
株式市場に打撃を与えうる出来事を «要因» として1件ずつ書き出し、 起きたときの打撃の大きさと、起きる見込みで並べた画面です。 週に1回を目安に見直し、動いたものを記録しています。
いま何を警戒しているか
要因の一覧と、その中身・根拠の資料。
どこから手を付けるか
打撃と見込みを掛けた順位と、分野ごとの配分。
前回から何が動いたか
見直しで上がった・下がった要因と、その理由。
それぞれの要因には、確かめるための市場の値(金利や為替、株価指数など)が結びつけてあります。 «評価は高いままなのに市場は落ち着いている»、あるいはその逆を探せるのが、この画面の使いどころです。
画面は «タブ» で7つに分かれている
上に見出しと更新日、その下にタブが並びます。開いた直後は «要因一覧» が選ばれています。 この記事では、よく使う4つを部品ごとに説明します。
| 番号 | 場所 | 中身 |
|---|---|---|
| 1 | 見出し | 最後に見直した日と、いま載っている要因の件数。 |
| 2 | タブ | 押すと下の中身が切り替わります。数字はそのタブに入っている件数です。 |
| 3 | 中身 | 選んだタブの内容。«要因一覧» ではカードが3列に並びます。 |
«影響度» と «確率» は、別々のことを測っている
要因には2つの数字が付いています。片方だけで重さを決めないのが、この画面の考え方です。
影響度(1〜10)
それが実際に起きたとき、株式市場が受ける打撃の大きさ。起きやすさは含みません。
31〜3 緑 64〜7 黄土色 98〜10 赤
確率(0〜100%)
今後3か月以内に顕在化する見込み。10%刻みで、それより細かくは置いていません。
40%丸い枠で表示。未設定の要因は «確率 未設定»
«総合ランキング» では2つを掛けた 留意スコア で並べます。 ただし掛けた時点で、«めったに起きないが起きれば甚大» と «よく起きるが軽い» は同じ数字になります。 順位を決めるための便宜と割り切って、性質の違いは «分布» で見ます。
要因のカードは、上から «評価 → 中身 → 市場の値 → 根拠»
«要因一覧» のカード1枚に、その要因について分かっていることが全部入っています。 いちばん読み飛ばされやすいのは、下のほうにある «市場の値» の行です。
1米国の長期金利の上昇
740%
2金利・財政
3国債の発行増が続き、長期金利が高止まりすると、株価の割高感が意識されやすくなる。
9月8日入札の結果が弱く、10年債の利回りが上昇。
5レポート(9月8日)公的資料
6最終見直し 2026年9月8日
| 番号 | 部品 | 読み方 |
|---|---|---|
| 1 | 名前と2つの数字 | 丸い色付きが影響度、枠付きが確率。 |
| 2 | 分野 | 要因の分野。警戒を解いた要因などは、ここに状態が添えられます。 |
| 3 | 中身と経過 | 何が問題か。その下の日付つきの行は、見直しのたびに足していく経過です。長いと途中で畳まれます。 |
| 4 | 市場の値 | その要因を確かめるための値。«見直した日の値 → いまの値»と、その間の変化。⚑ はあらかじめ決めた水準を越えた印で、細い横線がその水準です。 |
| 5 | 根拠 | 評価の元にした資料へのリンク。種類と日付が付きます。 |
| 6 | 見直した日 | 10日以上たつと薄い色、21日以上で赤くなります。赤いカードは評価が古いまま、ということです。 |
変化の色は、ツールの他の画面と同じく 上がり=赤・下がり=緑 です。 «良い・悪い» ではなく、単純に値が上がったか下がったかを示しています。 金利の上昇のように «上がるほど警戒» の値もあれば、株価のように «下がるほど警戒» の値もあります。
カードの上には、分野の絞り込みと並べ替え(影響度が高い順・確率が高い順・見直しが古い順・分野順)があります。 «見直しが古い順» にすると、評価を更新すべき要因が先頭に来ます。
«順位» で見るか、«散らばり» で見るか
«総合ランキング» は2つの数字を掛けて1列に並べ、«分布» は掛けずに2つの軸で散らします。 同じ要因を、目的に合わせて見分けます。
| 順位 | 要因 | 分野 | 影響度 | 確率 | 留意スコア | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 米国の長期金利の上昇 | 金利・財政 | 7 | 40% | 2.8 | 38.9% |
| 2 | 個人消費の急な冷え込み | 景気 | 6 | 30% | 1.8 | 25.0% |
| 3 | 半導体の輸出規制の強化 | 地政学 | 8 | 20% | 1.6 | 22.2% |
| 4 | 商業用不動産ローンの焦げ付き | 信用 | 5 | 20% | 1.0 | 13.9% |
割合は、そのときの要因の数で変わります。 要因を1件足せば、ほかの要因が何も変わっていなくても割合は下がります。 時期をまたいで割合そのものを比べず、その時点の順番と留意スコアの値を見てください。
| 位置 | 性質 | 見方 |
|---|---|---|
| 右上 | 重くて、起きやすい | 最優先で中身と市場の値を確かめる |
| 右下 | 重いが、起きにくい | 順位では下に来るが、起きたら大きい。見落とさない |
| 左上 | 軽いが、起きやすい | 市場の小さな揺れの原因になりやすい |
| 左下 | 軽くて、起きにくい | いまは優先度が低い |
例の «半導体の輸出規制の強化» は、順位では3番目ですが、分布では最も右(打撃が大きい)にあります。 順位だけを見ていると、右下の要因を軽く扱ってしまう。2つの並べ方を併置している理由です。
«変わったこと» で、前回からの差だけを拾う
見直しのあとは、全部のカードを読み直さなくて済むよう、動いたものだけがまとまって出ます。 上に «水準を越えた値»、下に «見直しで動いた要因» が並びます。
いま閾値を越えているもの
| 要因 | 見ている値 | いまの値 | 越えた水準 | 越えた日 |
|---|---|---|---|---|
| 米国の長期金利の上昇 | 米10年国債利回り 上がるほど警戒 | 4.35 | 4.30 | 2026年9月10日 |
2026年9月8日 の見直し
変更米国の長期金利の上昇 確率 30% → 40%
入札の結果が弱く、需給の悪化が意識された。
追加商業用不動産ローンの焦げ付き
変更個人消費の急な冷え込み 影響度 5 → 6
- 閾値を越えているもの
- 要因ごとに «この値がこの水準を越えたら要注意» と決めてあり、越えたものが越えた日と一緒に出ます。 評価を見直す前でも、市場の側から先に動きが分かります。
- 見直しで動いたもの
- 見直し1回ぶんが1つのまとまり。«追加»(緑)«変更»(黄土色)«削除»(赤)の印と、 影響度・確率の «前 → 後»、動かした理由が並びます。
見直しの週に、どの順で開くか
毎回すべてを読む必要はありません。次の順で開くと、短い時間で «いまの警戒» を更新できます。
- «変わったこと» を開く。水準を越えた値と、見直しで動いた要因だけを確かめます。
- «総合ランキング» で上位を確かめる。行を押すと、その要因のカードが開きます。
- «分布» で右下を確かめる。順位では下にある、重いが起きにくい要因を見落としていないか。
- 気になる要因のカードで «市場の値» を見る。評価と市場の動きが食い違っていないかを探します。
数字は «評価» であって、測定値ではない
影響度と確率は、資料をもとに人が付けた評価です。 株価や金利のように、どこかで測られた値ではありません。
- 評価は見直した日のものです。カードの日付が赤いときは、評価が古いまま残っています。
- 留意スコアの順位は、性質の違いを消しています。重いが起きにくい要因は «分布» で確かめてください。
- 割合は要因の数で動きます。時期をまたいで割合を比べると誤読します。
- 水準を越えた印は、要因が起きたという意味ではありません。確かめるための値が動いた、という合図です。
本記事の画面の例は、見方を説明するための架空の値です。ツールの実際の要因や評価とは関係ありません。 本記事とツールは市場の状況を整理するための情報で、特定の銘柄や商品の売買をすすめるものではありません。