ツール解説市場に立つための必須ツール

Guide / 画面の読み方

リスク要因ツール 使い方マニュアル

リスク要因 を開く 2026年9月13日 更新
What / このツールで分かること

いま何を警戒し、どこから手を付けるか

株式市場に打撃を与えうる出来事を «要因» として1件ずつ書き出し、 起きたときの打撃の大きさと、起きる見込みで並べた画面です。 週に1回を目安に見直し、動いたものを記録しています。

いま何を警戒しているか

要因の一覧と、その中身・根拠の資料。

どこから手を付けるか

打撃と見込みを掛けた順位と、分野ごとの配分。

前回から何が動いたか

見直しで上がった・下がった要因と、その理由。

それぞれの要因には、確かめるための市場の値(金利や為替、株価指数など)が結びつけてあります。 «評価は高いままなのに市場は落ち着いている»、あるいはその逆を探せるのが、この画面の使いどころです。

Map / 画面の地図

画面は «タブ» で7つに分かれている

上に見出しと更新日、その下にタブが並びます。開いた直後は «要因一覧» が選ばれています。 この記事では、よく使う4つを部品ごとに説明します。

模式図
1リスク要因見直した日 ・ 要因の件数 ・ この画面の作成日時
2 変わったこと 4 総合ランキング 要因一覧 18 分布 テーマ対応 予定 アーカイブ
3
番号場所中身
1見出し最後に見直した日と、いま載っている要因の件数。
2タブ押すと下の中身が切り替わります。数字はそのタブに入っている件数です。
3中身選んだタブの内容。«要因一覧» ではカードが3列に並びます。
7つのタブ
タブ何が出るかこの記事
変わったこと前回の見直しで動いた要因と理由。あらかじめ決めた水準を市場の値が越えた要因動いたものを見る
総合ランキング打撃×見込みで並べた順位と、分野ごとの合計2つの並べ方
要因一覧要因ごとのカード。絞り込みと並べ替えができるカードの読み方
分布打撃と見込みを掛けずに、2つの軸で散らした図2つの並べ方
テーマ対応どの要因が、どの投資テーマに効くか—
予定要因に結びついた、これからの日程—
アーカイブ警戒を解いた要因、実際に起きてしまった要因—
Scores / 2つの数字

«影響度» と «確率» は、別々のことを測っている

要因には2つの数字が付いています。片方だけで重さを決めないのが、この画面の考え方です。

影響度(1〜10)

それが実際に起きたとき、株式市場が受ける打撃の大きさ。起きやすさは含みません。

31〜3 緑 64〜7 黄土色 98〜10 赤

確率(0〜100%)

今後3か月以内に顕在化する見込み。10%刻みで、それより細かくは置いていません。

40%丸い枠で表示。未設定の要因は «確率 未設定»

留意スコア=影響度×確率 例: 影響度 7 × 確率 40% = 2.8(0〜10 の尺度)

«総合ランキング» では2つを掛けた 留意スコア で並べます。 ただし掛けた時点で、«めったに起きないが起きれば甚大» と «よく起きるが軽い» は同じ数字になります。 順位を決めるための便宜と割り切って、性質の違いは «分布» で見ます。

Card / カードの読み方

要因のカードは、上から «評価 → 中身 → 市場の値 → 根拠»

«要因一覧» のカード1枚に、その要因について分かっていることが全部入っています。 いちばん読み飛ばされやすいのは、下のほうにある «市場の値» の行です。

例

1米国の長期金利の上昇

740%

2金利・財政

3国債の発行増が続き、長期金利が高止まりすると、株価の割高感が意識されやすくなる。

9月8日入札の結果が弱く、10年債の利回りが上昇。

4
米10年国債利回り 4.10 → 4.35 +0.25 ⚑
S&P500 5,820 → 5,760 -1.0%

6最終見直し 2026年9月8日

番号部品読み方
1名前と2つの数字丸い色付きが影響度、枠付きが確率。
2分野要因の分野。警戒を解いた要因などは、ここに状態が添えられます。
3中身と経過何が問題か。その下の日付つきの行は、見直しのたびに足していく経過です。長いと途中で畳まれます。
4市場の値その要因を確かめるための値。«見直した日の値 → いまの値»と、その間の変化。⚑ はあらかじめ決めた水準を越えた印で、細い横線がその水準です。
5根拠評価の元にした資料へのリンク。種類と日付が付きます。
6見直した日10日以上たつと薄い色、21日以上で赤くなります。赤いカードは評価が古いまま、ということです。

変化の色は、ツールの他の画面と同じく 上がり=赤・下がり=緑 です。 «良い・悪い» ではなく、単純に値が上がったか下がったかを示しています。 金利の上昇のように «上がるほど警戒» の値もあれば、株価のように «下がるほど警戒» の値もあります。

カードの上には、分野の絞り込みと並べ替え(影響度が高い順・確率が高い順・見直しが古い順・分野順)があります。 «見直しが古い順» にすると、評価を更新すべき要因が先頭に来ます。

Two views / 2つの並べ方

«順位» で見るか、«散らばり» で見るか

«総合ランキング» は2つの数字を掛けて1列に並べ、«分布» は掛けずに2つの軸で散らします。 同じ要因を、目的に合わせて見分けます。

例
順位要因分野影響度確率留意スコア全体に占める割合
1米国の長期金利の上昇金利・財政740%2.838.9%
2個人消費の急な冷え込み景気630%1.825.0%
3半導体の輸出規制の強化地政学820%1.622.2%
4商業用不動産ローンの焦げ付き信用520%1.013.9%

割合は、そのときの要因の数で変わります。 要因を1件足せば、ほかの要因が何も変わっていなくても割合は下がります。 時期をまたいで割合そのものを比べず、その時点の順番と留意スコアの値を見てください。

例 右上 右下 左上 左下 影響度(起きたときの打撃)→ 確率 →
位置性質見方
右上重くて、起きやすい最優先で中身と市場の値を確かめる
右下重いが、起きにくい順位では下に来るが、起きたら大きい。見落とさない
左上軽いが、起きやすい市場の小さな揺れの原因になりやすい
左下軽くて、起きにくいいまは優先度が低い

例の «半導体の輸出規制の強化» は、順位では3番目ですが、分布では最も右(打撃が大きい)にあります。 順位だけを見ていると、右下の要因を軽く扱ってしまう。2つの並べ方を併置している理由です。

Changes / 動いたものを見る

«変わったこと» で、前回からの差だけを拾う

見直しのあとは、全部のカードを読み直さなくて済むよう、動いたものだけがまとまって出ます。 上に «水準を越えた値»、下に «見直しで動いた要因» が並びます。

例

いま閾値を越えているもの

要因見ている値いまの値越えた水準越えた日
米国の長期金利の上昇米10年国債利回り
上がるほど警戒
4.354.302026年9月10日

2026年9月8日 の見直し

変更米国の長期金利の上昇 確率 30% → 40%

入札の結果が弱く、需給の悪化が意識された。

追加商業用不動産ローンの焦げ付き

変更個人消費の急な冷え込み 影響度 5 → 6

閾値を越えているもの
要因ごとに «この値がこの水準を越えたら要注意» と決めてあり、越えたものが越えた日と一緒に出ます。 評価を見直す前でも、市場の側から先に動きが分かります。
見直しで動いたもの
見直し1回ぶんが1つのまとまり。«追加»(緑)«変更»(黄土色)«削除»(赤)の印と、 影響度・確率の «前 → 後»、動かした理由が並びます。
Flow / 使い方の流れ

見直しの週に、どの順で開くか

毎回すべてを読む必要はありません。次の順で開くと、短い時間で «いまの警戒» を更新できます。

  1. «変わったこと» を開く。水準を越えた値と、見直しで動いた要因だけを確かめます。
  2. «総合ランキング» で上位を確かめる。行を押すと、その要因のカードが開きます。
  3. «分布» で右下を確かめる。順位では下にある、重いが起きにくい要因を見落としていないか。
  4. 気になる要因のカードで «市場の値» を見る。評価と市場の動きが食い違っていないかを探します。
Caveats / 読み違えやすいところ

数字は «評価» であって、測定値ではない

影響度と確率は、資料をもとに人が付けた評価です。 株価や金利のように、どこかで測られた値ではありません。

  • 評価は見直した日のものです。カードの日付が赤いときは、評価が古いまま残っています。
  • 留意スコアの順位は、性質の違いを消しています。重いが起きにくい要因は «分布» で確かめてください。
  • 割合は要因の数で動きます。時期をまたいで割合を比べると誤読します。
  • 水準を越えた印は、要因が起きたという意味ではありません。確かめるための値が動いた、という合図です。

本記事の画面の例は、見方を説明するための架空の値です。ツールの実際の要因や評価とは関係ありません。 本記事とツールは市場の状況を整理するための情報で、特定の銘柄や商品の売買をすすめるものではありません。