ビットコインの値動き

ビットコインは過去24時間でおおむね6.66万〜6.82万ドルのレンジで推移し、最新確認値は66,977ドル前後で、前日比は約0.7%安です。先週いったん7万ドル回復を試した流れは続かず、足元ではイラン情勢を受けたリスクオフ、原油高による「利下げ後ずれ」観測、そして暗号資産ETFの資金流出再燃が重しになっています。The Blockは戦争由来のボラティリティの中でビットコインETFの流出が再び強まっていると報じ、CoinDeskは7万ドル割れ局面で個人の押し目買いに対して大口売りがぶつかっていると指摘しています。デリバティブ市場でも慎重姿勢が続いており、現状のBTCは「安全資産として一直線に買われる」より、地政学と金利観測に強く振られる高β資産として見た方が自然です。

注目ニュース

原油高は「観測」から「政策対応」へ移り、各国が家計防衛へ

3月8日の進展で重要なのは、原油高そのものより、各国政府が実務対応に入ったことです。米政権はインド向けロシア産原油の購入を認める30日間の制裁猶予を正当化し、供給不安を和らげる措置だと説明しました。イタリアでも燃料価格上昇を受けて、増えた付加価値税収を原資に燃料税引き下げを検討しています。Bloombergは週明けの株・債券市場が再び荒い始まりになる可能性を指摘し、FTも湾岸の減産で原油100ドル接近を警戒しています。昨日までの「エネルギー高が利下げ期待を消す」という話から一歩進み、今日は「政府が物価と供給をどう抑え込むか」が市場テーマに変わったと見てよいです。

米中対立は「会わないリスク」の方が大きい局面へ

中国の王毅外相は3月8日、米中対話は世界的な誤算を防ぐために不可欠だと述べ、今月見込まれる習近平・トランプ会談に向けた高官交流の議題はテーブルにあると明言しました。イラン戦争やベネズエラ対応で中国の対外関係は試されている一方、北京はここで正面衝突よりも管理された競争に軸足を置いている形です。市場にとっては、関係改善そのものより、最悪の誤算を避ける通信回線が維持されるかが重要です。アジア株や資源、輸出関連にとっては、米中が対話継続の姿勢を示したこと自体が小さくない安心材料になります。地政学が荒れている時ほど、超大国間の「接触継続」はリスク資産の下値を支える要素になります。

半導体の次の火種は、最先端AIチップではなく自動車向けの供給網か

中国商務省は3月7日、オランダ系Nexperiaと中国子会社の対立激化が、再び世界的な半導体供給混乱を招く可能性があると警告しました。前回の対立では中国製Nexperiaチップへの輸出規制が自動車産業の生産を乱しており、今回は中国側が本社によるアカウント停止やウエハ供給停止を問題視しています。Nexperiaの部材は自動車電子系で広く使われるため、もし対立が長引けば、打撃はAIサーバーより先に車載や産業機器へ広がる公算が大きいです。投資家にとってのポイントは、半導体リスクが「対中先端規制」だけではなく、成熟ノードやアナログ・車載の支配権争いにも移っていることです。ニュースとしては地味でも、供給網全体にはかなり実務的な重みがあります。

AI相場の主役は半導体から、冷却・電力の“裏方”へ

KKRがデータセンター向け液冷メーカーCoolIT Systemsの売却を検討しており、評価額は30億ドル超になりうるとReutersとFTが伝えました。FTによれば、KKRは2023年に約2.7億ドル評価で取得した資産から10倍級のリターンを狙っており、AIインフラの価値がチップ以外にも急速に波及していることを示しています。液冷はAIサーバーの高発熱に対応するための必須装置になりつつあり、Bloomberg Intelligenceも主要6社のハイパースケーラー投資額が2026年に5,930億ドル規模、前年比45%増になるとみています。つまり、AIテーマはNvidiaのような演算側だけでなく、冷却、配電、電力設備、データセンター不動産まで裾野が広がっているということです。短期の株価物色でも、この“裏方インフラ”は引き続き強いテーマとして意識しておく価値があります。