チャットGPTが登場してからは様々なAIが出てきています。
その中でも 2023年9月に上場を予定していて、今最も注目されているソフトバンク傘化のArm(アーム)について解説していきます。
Arm(アーム)とは?
Arm 社はイギリスのケンブリッジに本社を置くソフトバンクグループ傘下のファブレス企業で、半導体デザイン、プロトタイプ半導体の開発を行っています。
エイコーン・コンピュータ、Apple Computer、VLSIテクノロジーのジョイントベンチャーとして創業し、特に携帯電話市場では寡占状態にあります。
世界中にオフィスとデザインセンターを持ち、近年では高い性能が必要とされるスパコンやパソコン用CPU、自動運転用プロセッサなどでの採用例も増えており、同業トップのインテルに迫っています。
会社名 | Arm(アーム) |
設立 | 1990年 |
創業者 | Jamie Urquhart, Mike Muller ほか多数 |
本社 | イギリス ケンブリッジ |
製品 | 半導体デザイン |
ウェブサイト | https://www.arm.com/ja/ |
IR情報 | https://www.crunchbase.com/organization/arm |
Arm(アーム)の歴史
1985年にエイコーン社によりARM1と呼ばれる開発サンプルが完成し、その後、製品版ARM2が完成。
1990年に技術者がスピンアウトし、Advanced RISC Machines社として独立。以降、世界中に拡大し、多くの買収と合弁を経て成長。
2016年にソフトバンクグループが全株式を買収しました。
2020年にはNVIDIAによる買収が発表されましたが、2022年に断念。2023年4月に米国での上場を非公開で規制当局に申請しています。
Arm(アーム)の主要製品は半導体
Arm 社はRISCマイクロプロセッサの知的所有権を事業内容としており、ARMアーキテクチャ、RealViewやKEILというブランドのプログラミングツール、System-on-a-chip基板とソフトウェアなどの開発で知られています。
32ビット組み込みCPUの75%以上でARMアーキテクチャに基づいたCPUが採用されており、携帯情報端末で顕著です。
また、デジカメやテレビなどの家電、ネットワーク機器、ハードディスクドライブの制御回路等で幅広く採用されています
Arm(アーム)の公式ホームページ要約
Arm(アーム)は世界最大の半導体IP企業、70%の世界人口到達、5,900人以上の従業員、85+の国籍、2500億以上のArmベースチップ、1000以上のパートナーがいる。
世界人口の70%がArmベースの技術使用、250+億のArmベースチップ、拡張可能で進化するプラットフォームを保有している。
製品
モバイルコンピューティング、IoT、クラウドへの移行、セキュリティIP、グラフィックとマルチメディア、開発ツール
ソリューション
IoT、人工知能、自動車、モバイルコンピューティング、インフラストラクチャ
開発者向け
Arm Developer Hub、開発者向けリソース
パートナー
世界最大のコンピューティングエコシステム、多岐にわたる市場とアプリケーション
Arm Blueprint
エグゼクティブとインフルエンサーによる洞察、エッジAI、明日の視覚体験、ソフトウェア定義車両ビジョン
Armグループ税戦略
世界中の多くの国での存在、法人税、事業運営税、従業員関連税の支払い
その他
企業リーダーシップ、キャリア、品質、信頼センター、オフィス、ニュースルーム、サプライヤー、リソースライブラリ
Arm(アーム)の理念とは?
未来の構築
スマートフォン革命の推進、クラウドコンピューティングの再定義、自動車産業の変革、IoT経済の促進、メタバースの実現
グローバル公共政策
技術産業の全側面への影響、未来の技術の展望、人々のつながりと人間体験の強化
持続可能な技術の目標
デジタル技術へのアクセスの格差の解消、環境への影響の軽減、低消費電力計算の専門知識
スタートアップ向けArm
イノベーションの集中、新しい可能性の解放、IPへの無料アクセス、サポート、ツール、開発者コミュニティ
Arm(アーム)は今後どうなる?
Arm(アーム)の直近の会社の評価額は、600~700億ドル程度ですが、資金調達も順調に進んでおり、主要株主にも注目です。
資金調達について
特になし。主に他のスタートアップ企業への出資を行っている。
資金出資について
Series B
2023年7月6日にKigenに出資
Series A
2023年4月5日にSiPearlに€75Mを出資
2019年12月20日にSwimから$7Mに出資
Series B
2022年6月7日にArduinoに$32Mを出資
Series C
2021年10月18日にPragmatic Semiconductor(リード投資家)に$80Mを出資
Seed Round
2020年10月1日にCerfe Labsに出資
Venture Round
2019年5月3日にBlu Wireless(リード投資家)に£12.7Mを出資
2019年4月11日にAmpere Computingに出資
Corporate Round
2018年8月1日にCentrillion Technologies(リード投資家)に出資
Venture Round
2018年6月5日にAmbiq Microに$11.4Mを出資
ほか多数
主要株主と各社の取り組み
主要な株主は下記のとおりです。
1. SoftBank Group (75%)
2. SoftBank Vision Fund (25%)
2020~2022年にかけてARM社の売却先としてNVIDIAとのディールが進行しており、ソフトバンクグループがNVIDIAの筆頭株主となる予定でしたが、最終的に売却契約は解消されました。
Inflection AI社の直近のニュース
2023年8月21日: Arm Holdings、提案されたIPOのための登録申請書の公開を発表
2023年8月21日: Arm Holdings、IPO申請を提出
2023年7月6日: Kigenは、Arm HoldingsおよびSoftBank Vision Fundから未公開額 / シリーズBを調達
2023年5月17日: AIブームの中でも、米国半導体スタートアップの資金調達は減速
2023年5月4日: Brexit: Arm Holdings共同創業者Hermann Hauser、現実を明らかに
2023年5月1日: SoftBank傘下の半導体メーカーArm Holdings、IPOに向けて力強く進展
2023年4月5日: SiPearlは、Arm Holdingsおよび3人の他の投資家から€75,000,000 / シリーズAを調達
2023年1月27日: チップ株は下落するも、半導体スタートアップへの資金調達は依然として健全
2022年11月27日: 可能を超えて考えるようスタートアップに助言:ARM Holdings前CEO
まとめ:Arm(アーム)は9月に上場予定で期待大
いかがでしたでしょうか?
Arm(アーム)の注目ポイントをまとめると・・・
・2023年9月に上場予定で大きく成長する可能性がある
・NVIDIAと並んで、AIブームの中での半導体需要からの好業績が期待されている
・半導体の他の新しいスタートアップについては、資金調達/出資が伸び悩んでいるデータがあり、ジャンルとしては意外と人気が出ていない傾向がありますが、逆に市場が成熟して新規参入での競争が起こりづらいことがArmに追い風となる可能性もあります。
この後、Arm(アーム)についても動向を見ていき、メルマガでも情報を配信していきます。
AI TRUSTではAI関連の情報なども毎週メルマガで配信しています。
無料で購読も可能ですので、ぜひ読んでみてください。