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【コロナ倒産に要注意】今後継続して破綻する企業が出てくる

新型コロナによる影響で、世界中の著名企業の倒産が相次ぐ。ここに書く4社は百貨店、衣料品販売と小売・サービス業に集中しており、今後、同業種の破綻が続くことが予測され、個々の投資家の所有株には注意が必要である。

コロナで倒産した企業とは?

レナウン:日本の上場企業で初のコロナ倒産

大手アパレルのレナウンが法的整理手続きに入った。1990年代には世界最大の事業規模を誇ったが、最近はブランド力の低下やファストファッションの台頭などで不振が続いていた。

そこに新型コロナによる需要の蒸発で4月の販売が8割減まで落ち込み行き詰まった。親会社の山東如意科技集団との関係悪化も目立っており、スポンサー探しなど再建は難航も予想される。

米:Jクルー破産

米衣料品チェーンのJクルーは、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し経営破綻した。新型コロナの影響で全約500店が営業休止に追い込まれ、資金繰りが悪化していた。新型コロナによる米主要小売業の破綻はJクルーが初めてとなった。

ネット通販の普及が旧来型の小売業を淘汰するアマゾン・エフェクトで体力を弱らせた企業が、新型コロナで追い打ちをかけられ破綻するケースが今後は増えそうだ。

Jクルーは前身が1947年にカタログ通販を専門にした女性衣料品製造として創業。83年に現在の社名になった。衣料品大手のギャップより価格帯が高く、ラルフ・ローレンのポロより割安感のある東海岸発のプレッピースタイルの衣料品として、80年代以降に10代から20代の人気を集めた。

2003年に元ギャップのマーケティング責任者だったミッキー・ドレクスラー氏を最高経営責任者に迎え店舗展開を強化していた。そしてその後大学生の人気ブランドとして大きく飛躍した。2006年には株式新規公開を果たした。2014年にはユニクロを展開するファーストリテイリングが、買収交渉を進めたこともあった。

米:ニーマン・マーカス破産

米高級百貨店のニーマン・マーカスが、米連邦破産法11条の適用を申請し経営破綻した。もともとネット通販の台頭により経営不振に陥っていたが、新型コロナに伴う営業停止が追い打ちをかけた。破産法を申請した衣料品チェーンのJクルーに続き、米主要小売業で2例目の経営破綻となった。

ニーマン・マーカスは1907年創業の高級百貨店。オイルマネーが盛んだったテキサス州ダラスを拠点に富裕層を取り込み、最高級品を提供する百貨店として成長した。2019年3月に、ニューヨーク初となる店舗を大規模再開発地区のハドソンヤードに開業したばかりだった。

米:JCペニー破産

米百貨店大手のJCペニーが、米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻した。ネット通販の台頭によりもともと経営不振に陥っていたが、新型コロナに伴う営業停止が追い打ちをかけた。5月に破綻した衣料品チェーンのJクルー、高級百貨店ニーマン・マーカスに続き、米主要小売業で3例目の破綻となった。

JCペニーは118年の歴史を持つ老舗百貨店で、チェーン型百貨店のパイオニアとして成長した。2011年にはアップルの直営店アップルストアを成功に導いたロン・ジョンソン氏を最高経営責任者に迎え、値引きを行わない戦略を打ち出したが失敗し、ジョンソン氏は13年にCEOを更迭された。

新型コロナの感染拡大に伴い一時営業停止に追い込まれる前から経営不振が続いていた。2019年には18店舗を閉鎖し、家具や家電販売からも撤退。2020年1月期の最終損益は2億6800万ドルの赤字と、3期連続の赤字だった。同社は現在、全米で850店舗を運営し従業員9万人を抱えるが、新型コロナの影響で営業停止しており、従業員も一時帰休となっている。

アフターコロナの次の破産は?

4社の特徴を見れば明らかなことは、新型コロナの感染拡大の前の段階から業績が悪化し、財務状況が苦しい状況にあった。 Amazonを始めとするネット販売の台頭への自社事業の取り組み変革が追いついていなかったことも共通点と言える。そこにロックダウンが加わり、消費そのものが蒸発したことで手元資金が枯渇したわけだ。

今後継続して破綻する企業が出てくる

アフターコロナの時代も人々はお金を使うこと自体を躊躇い、貯蓄する傾向が高まるであろう。それにより消費行動が元に戻る事は考えづらく、サービス業・小売業の中で、ネット販売で苦戦する企業、そして固定コストの高い企業、既に業績不振の上場企業の中から、今後継続して破綻する企業がでてくることを考慮すべきである。

投資すべき上場企業を選定することは難しくても、売却すべき上場企業を予測することは非常に簡単だとも言えるのではないだろうか。

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