週間市場動向

【投資熟考8月29日】 投資家に一番重要なスキルとは?

金曜日のジャクソンホールでのパウエル議長の発言が注目されましたが、タカ派的な内容となり、改めて市場は利上げに対してのリスク回避の動きとなり、米株3指数は大きく下落しました。NYダウは3ヶ月ぶりに1日に1,000ドルを超える下げを見せました。

※NYダウの金曜日の値動き

NASDAQについてはさらに下落幅は大きく1日で4%近い大きな下げを見せました。パウエル議長の演説直後は上昇に転じる場面がありましたが、その後は継続してだらだらと売りが続く動きとなりました。

※NASDAQの金曜日の値動き

週明けの東京市場もこの流れを受けて大きく下げることが予想されます。

暗号通貨市場も急落!!

米株が大きく下落したこと、金利先高からのリスク回避の動きは暗号通貨市場でも起こり、市場は大きく下落しました。土曜日の日本時間11時半の時点で、BTCも20,200ドル台と、2万ドル割れ手前の水準まで落ち込んでいます。

※BTCの24時間チャート

過去24時間チャートを見ると、こちらもパウエル議長の演説直後は上昇するも、米株の下落歩調に合わせて売りが続いたことがみて取れます。

投資家に一番重要なスキルとは?

スキルとは「訓練や学習によって獲得した能力」のことを指します。 日本語では技能と呼ばれることもあります。

ポイントとしては、スキルは獲得できるものであるということです。 すなわち、遺伝的に決まるような「先天的なもの」ではなく、訓練や学習によって獲得できる「後天的に獲得可能なもの」がスキルなのです。

投資家にとって一番重要なスキルは何かと言えば、” 軌道修正ができる ” ことにあると思います。

投資はうまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。自分の予想した流れと違い損失が出た時に、一度そこで立ち止まり、当初考えていたシナリオを見つめ直し、現時点のマクロ経済要因をアップデートした上で、再度考えた上で、投資戦略を練ることが重要なのです。

例えば今の暗号通貨市場で言えば、当初は来月のイーサリアムの ” Merge “ に向かい、暗号通貨市場はNASDAQ市場との相関性が徐々に薄れ、独自に上昇していくと考えていました。

そのために今月頭から ” Web3.0 ” の流れに沿う主力暗号通貨を継続的に買い進めていました。当初は大きな含み益も出ていましたが、半ば以降からの下落により、含み益は全て吹き飛んだ上で、含み損を抱えている状況です。

短期的に言えば、さらに一段の暗号通貨市場の下落も覚悟していますし、イーサリアムの ” Merge ” による短期的な大きな上昇は見込めないと考え方を修正しました。ただし、もう一段の下落リスクに備えて損切りをするかと言えばそうではなく、中期的に考えた時には、” Web3.0 “ の社会での着実な浸透が進むことにより、中核的な暗号通貨は中長期的に大きく上昇すると考えていますので、もう一段の下げでのナンピン買いを行っていきます。

予想と違う動きになれば再度戦略を練り直す

目先の希望的観測の上昇を神頼みをするのではなく、改めて全体を見渡した上で、戦略を練り直すということです。

市場が下落をし、損失を抱えている状況にあると、どうしても悲観的に考えがちですし、市場から目を逸らしたくなってしまいます。しかしそれでは、本当に大きなリスクが訪れた時、暴落に直面したときに対応もできなくなってしまいますし、慌てふためくことになります。

今の状況を真摯に受け入れた上、負けは負けと認めた上で、冷静に市場を判断し、次の行動を行うということです。そして投資はあくまでも自らのリスク許容度の範疇で行うことが、改めて重要だと理解し、実践していきましょう。

さて、話を切り替えて金融市場の今後を予想してみます。

ドル円はどうなる?

改めてパウエル議長の発言から、アメリカの金利はまだまだ上昇することが想定できます。今よりもこの後の3回、4回の利上げの中で、最低でも1.5%の利上げは行われることになるでしょう。

日本の金利は今の日銀総裁の元では行われることはないでしょうから、金利差の拡大により円はもう一段安くなることを想定しておくべきでしょう。140円を突破すると、150円に向けた動きになると考えておくべきですし、150円を超えればそこから更なる円安加速も十分に考えられます。

※ドル円チャート

何度も何度もこのメルマガの中では伝えていますが、円からの資産分散は継続的に行っていきましょう。今回の市場下落により、米優良株、主軸暗号通貨へのドルコスト平均法での投資は非常に有効なタイミングになったと思います。

そして円安、資源高、世界的な食糧不足ににより、日本のインフレ、物価高も止まりません。そこに備えた様々な対応を継続的に行っていきましょう。

ユーロのパリティ割れは続く?

ユーロのドルに対してのパリティ割れはさらに拡大すると考えられます。ドイツ経済の落ち込みが酷いです。そしてこれから秋、冬に向けて天然ガス需要が増す中で、エネルギー不足は更に深刻になります。物価高は止まらず、ユーロ圏の多くの国がリセッション入りします。ユーロ圏からの資金逃避の動きは続きますので、ユーロ売り・ドル買いの流れは続き、1ドル=1.1ユーロ程度までのパリティ拡大は十分に考えられると思います。

ユーロに興味を持つ投資家の方もいるかと思いますが、しかしまだ今はユーロを持つタイミングではありません。ドルに対しての円の下落率よりも、この後はユーロのドルに対しての下落率が大きくなり、円は相対的にユーロに対しては強くなると考えられるからです。

中国経済はどうなる?

中国の不動産市場は本当に悲惨な状況になってきました。新築物件の販売は半分に落ち込んだ上、中古物件についても売りたくても売れない状況に陥っています。売れない中で価格だけが下落しているのです。

含み資産がどんどんなくなり、直近5年以内に新築で買ったマンションについては、既に含み損の状況にあると思います。

日本と比較しても住宅ローン金利は高く、多くの中国家庭はかなり無理をしてローンを組んでいますので、生活そのものがかなり窮した状況になっている家庭が多いと思います。

日本の不動産バブル崩壊よりも悲惨な状況になり、消費は大きく落ち込むことになるでしょう。

中国でロレックスが暴落中!!

中国経済の現状を知る上で今非常に興味深い状況が起こっています。ロレックスの中古市場が中国で大暴落しているのです。中国の中古高級時計の業界ポータルサイト万表によると、3月以降、ロレックス・サブマリーナーの中古価格は46%も下落しています。

中国人によるロレックスの爆買いはコロナ前の2019年まで続いていました。転売と資産目的が半々で、大量のロレックスが日本からも中国に流れていきました。たった数ヶ月で半値ということはそれだけ投げ売りが進んでいるということです。中国はゼロコロナ政策や不動産市場の混乱で景気後退が進んでいます。

好景気が続くと見込んだものの、逆に負債を抱えた富裕層が、少しでも返済にあてようと保有するロレックスを売却していると考えられます。中国の富裕層の多くは不動産の値上がりで資産を作ってきました。中国の不動産価格の実質的下落は考えているよりも酷く深刻だということです。

そして経済そのものの落ち込みも悲惨なことが考えられます。2030年までには中国がアメリカ経済を抜いて世界一になることが予測されていましたが、これも不可能ではないかと個人的に思います。

日本のバブルが崩壊後、未だ大きく成長することなく、人口減が始まり、低成長どころかマイナスに入るわけです。中国も同様の道を進むように感じられます。

そして中国市場でのロレックスの投げ売りは確実に日本にもやってきます。プレミアム価格で買うという愚かな行為はやめた方が良いでしょうね。ロレックス、パティックのプレミアムはあっという間に吹っ飛びます。持っている人は今のうちに売るのが正解です。

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