コロナ特集

新型コロナとインフルエンザ、ツインデミックリスクに備えよ

新型コロナ、北半球で再度の感染拡大

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、新型コロナウイルスの流行が特に北半球で重大な岐路に直面しているとの見方を示しました。記者会見で「今後数カ月間、状況は非常に厳しいものとなり、一部の国々は危険な道をたどっている」と指摘しています。

「さらなる不必要な死を防ぎ、必要不可欠な医療サービスの崩壊や学校の再閉鎖を防ぐために、指導者らが早急に行動を起こすことが求められている」と述べています。

検査体制を改善し、感染者の接触先を追跡するほか、ウイルスを拡散する恐れのある人を隔離することで、各国とも強制的なロックダウンを回避することができると発言していますが、既に欧州ではロックダウンに踏み切る国、都市も増えている状況です。今日は新型コロナとインフルエンザが共に流行するツインデミックリスクについて考えてみましょう。

ツインデミック

欧州の一部都市でインフルエンザの予防接種への需要が急増してワクチンが不足しており、新型コロナとインフルエンザの両方の感染が広がる「ツインデミック」が起きるリスクが高まっています。

欧州の各国政府は今年、インフルエンザワクチンの発注を増やし、予防接種を受けるように啓発活動を進めています。通常より早い接種で4億5000万人に上る欧州人口の接種率を高め、医療機関の負担を減らす狙いがあります。

ワクチン大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)やサノフィ、アボット・ラボラトリーズ、セキーラスは需要増加を想定し、欧州への供給を平均で30%増やしました。ワクチンメーカーを代表するワクチン・ヨーロッパは声明で、フル稼働しているが最近の追加需要に追いつかないと述べています。

欧州の各都市や政府の当局者、医療専門家とのインタビューでも、ワルシャワなど主要都市で早い時期にワクチンの需要が増え、遅れが出たり一時的にワクチン不足に陥ったりしていることが分かりました。

欧州のインフルエンザの流行は10月に始まり、11月半ばから12月初めにかけて拡大します。毎年4000〜5000万人がかかり、最大7万人がインフルエンザ関連で死亡しています。

チェコ、アイルランドで二度目のロックダウン

チェコとアイルランドが22日から2度目のロックダウンに踏み切りました。EUの加盟国で全土のロックダウンを再導入するのは初めてです。

欧州は新型コロナの流行の第2波で感染者が急増しており、他の国も追随する可能性があります。チェコは衣料品店など大半の店舗を閉め、外出は食料品の買い物や通院を除き認めていません。封鎖は11月3日まで続けられます。

欧州経済の落ち込みは?

欧州では新型コロナ感染が再び拡大しています。イタリアでは1日の感染数が前日比20%増となりました。これを受けてドイツ、フランス、英国など欧州各地で夜間外出禁止令や域内の行き来で隔離条件をつけるなど経済活動を再び妨げる状況にあります。

回復が再び停滞するため欧州中央銀行は、追加緩和の導入を強いられる可能性が強まりました。ラガルド総裁は、経済に必要な支援を継続する準備があると再表明しています。そして指標や為替を綿密に見直し、必要とあれば全手段を修正する準備があるとしました。

経済成長の回復が遅れることに加えて、ユーロ圏の9月インフレは‐0.3%と8月の‐0.2%からさらに悪化し、2カ月続けてマイナスの領域にあります。また、コアインフレは0.2%と過去最低水準を記録しました。

今後数四半期もインフレが低迷する可能性が警戒されます。このため、ECBは新たな経済の見通しが示される12月の会合で、パンデミック緊急国債購入プログラム(PEPP)を拡大、延長するとの見通しが強まりつつあります。一部エコノミストはECBがPEPPを現行1.35兆ユーロから2兆ユーロ付近まで拡大、2021年6月から延長する可能性を指摘しています。

ECBの高官は今月開催される定例次回では追加刺激策を急いで導入する理由は見られないと言及しています。PEPP下での購入は現行で0.58兆ユーロで、上限にまだ達しておらず購入余地があります。このため、今月末に開催する理事会では政策が据え置かれる見通しです。

ただし、年末の追加緩和を織り込むユーロ売り圧力が強まりそうですので、ユーロドル、ユーロ円への投資を行っている投資家はボラテリティの高い相場に注意が必要となります。

金融市場のショック安は?

ツインデミックが起こり、ロックダウンされる国、街が増えれば、欧州経済の落ち込みは予想を超えるひどい状況になることも想定しておくべきでしょう。そしてその時に経済対策が後手後手になれば、金融市場はショック安となる可能性が高いです。

欧州だけでなく、アメリカ、日本での感染再拡大が広がり、経済が落ち込むことになれば、金融市場のショック安の規模はかなり大きなものになることも考えておくべきでしょう。米大統領選前で元々市場は波乱含みの動きも予想されますので、より慎重な投資行動が必要となりますね。

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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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