コロナ特集

【新型コロナ】激変するショービジネス

ブロードウェイは再度の再開延期

新型コロナの流行を受けて活動休止となっていた米ニューヨーク・ブロードウェーで、チケットの販売が全て来年5月30日まで停止されることになりました。こちらは、業界団体である、ブロードウェーリーグが先日発表したものです。

ブロードウェイだけでなく、日本をはじめとする世界のショービジネスがコロナによる大きな打撃を受けています。今日は世界のショービジネスの現状、コロナ後のあり方について考えてみたいと思います。

ブロードウェイ 過去最長の休演

ブロードウェーの劇場は41カ所ありますが、このすべてで、新型コロナの感染拡大を受けて3月から休演しています。ニューヨークは春先は世界の中でも最も感染拡大が深刻でしたので、ロックダウン後の店舗等の営業も慎重で、ブロードウェイでも休演期間はこれまでも繰り返し延長されていました。業界団体は来年5月末までの日程のチケットを保有している人たちに対し、交換や返金の詳細について問い合わせるよう促しています。

業界団体によれば、約9万7000人がブロードウェーでの活動で生計を立てています。ニューヨーク市に対する年間の経済的な影響は148億ドル(約1兆5600億円)に達する見通しだといいます。ブロードウェーはこれまでも2001年の米同時多発テロやストライキなどで活動を休止したことがありますが、新型コロナによる休演期間は史上最長の水準となっています。

ショービジネスも収益構造変革のとき

客を集めてチケット代でも儲けを得るこれまでの演劇の構造では、公演が中止になるだけでたちまち収益がゼロになってしまいます。この事実は想像以上に演劇業界に暗い影を落としており、世界的に有名なカナダのサーカス団シルク・ドゥ・ソレイユですら、経営難で破産するほどの深刻さとなりました。

日本でも宝塚歌劇団など、数多くの固定ファンを国内中に持つ一部の団体を除き、日本の演劇業界のほとんどは小劇団、小劇場で構成されていますから、ここへの打撃はすさまじい状況に陥っています。

2月26日には政府による自粛要請を受け、国内のあらゆる演劇関係者が参加する緊急的ネットワークである緊急事態舞台芸術ネットワークが発足しました。そして公演中止の相次いだ舞台芸術界の損害額調査を実施しました。

業界内でもある程度の地位を確立している団体16社だけでも、実損合計は160億円にもなりました。現在の窮地に声を上げて、支援を求めている劇団もありますが、ほとんどの小劇団はそんな体力もなく、静かにつぶれていってしまっているところも多いのが現状です。

多くの劇団員はそもそも劇団からの給与で食べていける人も少なく、飲食店等でアルバイトを兼ねて働いていました。しかし飲食店の多くがパート、アルバイトを削減する状況の中、劇団からの給与も入らない状況では、俳優、女優への夢も諦めざるを得ない状況です。

さらに今後、公演が再開できたとしても、感染対策のため客席は前後左右を1席ずつ空けなければなりません。その状態で満席になったとしても、今までと同じの入場料金であれば、とても利益を上げることはできず、赤字開催となります。かといって開催しなければ、劇団員の給与を支払うこともままなりません。

歌舞伎でさえ厳しい状況

日本の伝統芸能である歌舞伎を運営する松竹でさえ、50%動員を完全に実現できて初めて、損益分岐ラインに到達する収支設計で公演を組み立てているのが実情だそうです。常に高い人気を誇る歌舞伎ですら、最低限の収益確保という状況にあるなかで、ほかの劇での収支の達成実現は困難を極めるはずでしょう。

演劇というのは、役者の演技を目の前で味わえることが大きな魅力であり、コロナによる規制は、演劇の特性をことごとくつぶしてしまいかねません。

さらに、小劇場はキャパシティーが数十人ほどのところもあり、観客同士どころか演者との距離もものすごく近い状況です。稽古でも、演者やスタッフの密なコミュニケーションは必要不可欠となります。感染対策といってもキリがなく、どこまで行えば大丈夫なのかという基準もありません。

多くの劇団が淘汰されることになれば、そこから出てくる役者、女優も今までより限られることにもなり、映画、テレビドラマにも大きな影響を中長期的に及ぼすことにもなるでしょう。 既にテレビは予算を抑えたバラエティ番組が主流となり、YouTubeにも視聴率を大量に奪われる状況にもなっていますし、今まで以上につまらないメディアになっていくのかもしれません。

劇団の公演もYouTubeを活用したり、ウェブ配信中心になっていくのか? しかしそれでは小劇場で味わうような臨場感を演出できないのではないか? 5Gであればこれを解決することができるのか? その中で活路を見出すところが出てきて、そこを先頭にしてショービジネス産業は新たな成長に移っていくことを期待したいものです。

そのような状況下、劇場に観客を入れての演劇公演ができないなか、札幌市を中心に活動する演劇人がネット上に「札幌シェアター」を立ち上げています。こけら落とし公演は4月26日夜、ネットメディア「YouTubeライブ」で生配信されました。

演目は、サイトータツミチさんが脚本を担った「コトゴト」です。新型コロナ禍で注目されるオンライン会議システム「Zoom」を活用した約25分の短編作品でした。新たな取り組みも既に始まっているのです。

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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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