経済ビジネス

ソフトバンクグループにのしかかるOYOホテル問題

ホテル

2020年3月までに日本で100万室を供給する!!

OYO Hotel(オヨ・ホテル)が目標に掲げたこの数字はどうなったのか?1年近くが過ぎた今、OYOホテルが扱うアパートは現在7,500室と目標100万室の1%以下でしかない。

上場中止と1兆円の金融支援を強いられたシェアオフィスのウィーワークに続き、OYOホテルはソフトバンクグループ及びビジョンファンドにとって厳しい現実と対峙する案件となっている。

ソフトバンクグループ、ビジョンファンドが、スタートアップに数千億円規模で投資し、規格外の成長を求めた結果、前途有望なビジネスをかえって傷付けてしまうケースが連続している。日本で拡大路線を進んだオヨは事業パートナーや従業員ともめ、顧客の信頼も傷つけた。ツイッター上には被害者の会も結成され、日本だけではなく、インドや中国、米国でも似たような問題を抱えている。

WeworkとOYOホテルの共通点は?

ホテルグループOYOは6年前、当時19歳のリテッシュ・アガルワル氏が創業した。

ホテル事業では低価格ホテルをおしゃれに改装し、人工知能で需要を予測、客室料金を決める仕組みを導入した。

家具家電付きのアパート事業では敷金・礼金・仲介手数料無料のサービスを提供し、全ての手続きがスマートフォンで出来る触れ込みだ。

OYOホテルとWeworkは、不動産テックというビジネスモデルや若いカリスマ創業者がいることが共通点となっている。

3メガバンクを含む国内外投資家と基本合意書を結んでいた12兆円規模のビジョン・ファンド2の計画がいったん白紙になり、物言う株主のポール・シンガー氏はソフトバンクG株を取得し、自社株買いや経営透明性の向上を求めている。

ソフトバンクグループ及び孫正義氏にとってOYOホテルの立て直しは何よりも重要な事項であり、もしOYOホテルが失敗すれば、グループ及びビジョンファンド全体の構想が大きく崩れることになるだろう。

ソフトバンクグループは17年に10兆円規模のビジョン・ファンドを立ち上げ、世界で最も大きなスタートアップに投資してきた。孫氏はOYOホテルに15億ドルを出資し、1927年創業のマリオット・インターナショナルを抜き世界一のホテル王になるよう若き経営者を励ました。

アガルワル氏が持ち株を増やすため、20億ドルを借りられるようみずほフィナンシャルグループなど銀行に対し孫氏個人がローンも保証し、これによりOYOホテルの評価額を100億ドルに倍増させることにつながった。

ソフトバンクグループの信頼、インフラを活用するも?

ソフトバンクグループは携帯電話やポータルサイト運営など日本の情報インフラを担い、プロ野球で連続日本一になった福岡ソフトバンクホークスを所有している。この環境を活用し、OYOホテルはホテルとアパートの両事業で合弁会社を設立し、1年で日本最大の供給者になる大胆な目標を立てたわけだ。

しかし、OYOホテルの戦略には当初から誤りがあった。日本での供給数について、初年度から業界トップのアパホテルを上回る7万5,000室を目指したが、当時の複数の関係者によると、前提とした160万室にはキャンプ場やラブホテルも含まれ、市場規模を過大に見積もっていた。

野心的な目標達成に向け急ピッチで人材採用も進め、ホテル事業では社員が580人以上に急増し、アパート事業では300人に増えた。しかし、目標を下回るホテル事業の現状が明らかになった昨年8月以降は社員の解雇を始めるようになっている。

オーナーの悲鳴

成田空港に近い千葉県香取市の佐原北ホテルは昨年9月に契約して以降、最低売り上げ補償が1月に支払われなかったり、繁忙期でも室料が大きく下げられたりした為、何のプラスにもなってないと言う。

日本で有名な孫氏のソフトバンクが支援しているから契約したという契約者が多く、その信頼が裏切られることになり、これはソフトバンクグループにとっても大きなマイナスイメージとなってしまう。

財団法人・宿泊施設活性化機構(JALF)には、OYOホテルについての苦情がこれまでに15件以上寄せられており、オーナーとのトラブルはOYOホテルが日本で事業展開する上での障害になるだろう。

ソフトバンクグループの今後の株価に最も影響を与えるのがOYOホテルかもしれない

ソフトバンクの宮内謙社長は先日の決算会見で、日本でのOYOのホテル事業について200ぐらいのうち、40社ぐらいがいろいろな問題があったと明らかにした。

インドや中国でも多くのトラブルを抱えるOYOホテルが、今後日本でのトラブルが相次ぎ、それによって拡大戦略に失敗。更にはソフトバンクグループの信頼があるからこそ契約が取れていたものが、現在のクレームの状況を理解して、新規加盟契約が取れないという状況になれば、目論見は更に大きく外れることになる。

現在のソフトバンクグループの今後の株価を占う上でも非常に重要なポイントがOYOホテルにあることを改めて理解を深めてほしい。

ウーバーは2020年内には黒字化も予想され、ソフトバンクグループにとっての明るいニュースも多くあり、株主にとっては一喜一憂も続くが、超強気戦略を取ってきた孫正義氏だからこそ、訪れる壁であり、今まで超えてきたように、今回の壁も乗り越えていくことに期待しよう。

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【AI TRUST編集部】大泉
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AI TRUST編集部の為替担当大泉です。FX、為替歴は11年。今までにトレーダーとしても活躍。最近は為替の自動売買ソフトのアドバイザーなども務めており、為替のプロフェッショナル。
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