コロナ特集

日本人の外国出張や海外旅行は大丈夫か?

アジアや欧米などでは徐々にロックダウンが解除

新型コロナウイルスの感染がピークを越えたとして、アジアや欧米などでは徐々にロックダウンが解除され、人の国境を越えた動きが再び戻ろうとしている。しかし、本当に大丈夫かと考える人が殆どだろう。海外旅行ならともかく、海外出張なら嫌でも行かざるを得ないサラリーマンもいることだろう。

国によって状況は違うが、新型コロナウイルスの感染拡大は全くアフターコロナとは言えない状況だ。米国のジョンズ・ホプキンス大学の集計データに寄ると、世界の感染者数は800万人を超え、犠牲者数は43万人に上っている。

国別では、感染者数で米国が211万人、ブラジルが88万人、ロシアが53万人、インドが33万人、英国が29万人などとなり、犠牲者数では米国が11万人、ブラジルが4万人、英国やイタリア、フランスで3万〜4万あたりとなっている。しかし、今後状況はさらに悪化する可能性もある。

インドでは病床が大幅に不足するとの試算も

インドの保健当局は6月15日、新型コロナウイルスの感染者が国内で33万2400人に達し、犠牲者が1万人に迫っていると明らかにした。特に、6月以降ロックダウンが徐々に解除されつつある首都ニューデリーでは、ショッピングモールやレストランなどで人々が賑わい、感染者が再び増加しているという。

この状況はムンバイやチェンナイなど他の大都市でも同じ状況だ。また、インド政府はニューデリーでの感染者数が7月末までに55万人にまで増加し、病床が大幅に不足するとの試算も示している。

イランでは累計感染者数も19万人に到達

また、イラン保健省も6月15日、1日当たりの新型コロナウイルス感染による犠牲者数が2日連続で100人を超え、ソーシャルディスタンスなどの防止策が十分に守られないと第1波より恐ろしい第2波が到来すると警告した。イランでの犠牲者数も9000人に迫り、累計感染者数も19万人に到達しようとしている。

猛威を振るった欧州では徐々にロックダウンが解除され、各国の国境も再び開放されようとしているが、欧州各国を結ぶ航空便や高速鉄道の運行が活発になることで再び感染爆発が起こる可能性もある。観光収入が全体の1割を占めるフランスやイタリア、スペインなどは夏のバカンスシーズンを迎え、観光客を取り戻そうとしているが、クラスターが発生する危険性もある。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大によって、失業者の増大と経済格差が大きな問題となっているが、例えロックダウンが解除されたとしても、今後は経済的な不満や怒りを持つ若者たちによる抗議デモや暴動が激しくなる可能性もある。

現在、黒人男性殺害に端を発する米国発の抗議デモが世界に拡散しているが、この問題の根底には経済格差に対する不満や怒りがある。抗議デモには白人やアジア系、ヒスパニック系など多様な人種が参加しており、単に人種差別デモで片付けられる問題ではない。白人の若者たちの不満も欧米では根強い。

よって、新型コロナウイルスがピークを超えた国に渡航をする機会があったとしても、今度は抗議デモや暴動などのリスクがつきまとう。

今回の新型コロナウイルスによる影響はすぐには終わらない。サラリーマンの海外旅行や外国出張を長く悩ますものになるだろう。

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サントロペ
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国際政治学者、大学教員でありながら、実務家として安全保障・地政学リスクのコンサルティング業務に従事する。また、テレビや新聞などメディアでも日々解説や執筆などを積極的に行う。
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