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【 FXトレード専門 】いつでも使える・通貨の逃避先の考え方

米国大統領選開票中

現在11月4日。米国大統領の開票で米国だけでなく日本も盛り上がっています。トランプ大統領が再選か、果たしてバイデン候補か。メディアでは圧倒的にバイデン候補が優勢と報じられていましたが、4年前同様な流れに現時点ではなっています。

トランプ氏が接戦州で強さを発揮していますが、日本では4日の東京市場からマーケットは大きなボラティリティとなっています。そしてだれもが不透明といわれる中で、投資家・トレーダーであれば「資産をどこに移すか」これが非常に重要となってきます。今回は、通貨限定で資産を移すときの考え方、安全資産の選び方を例を用いながら解説します。

安全資産に逃避するとは

米国大統領選の最中は、マーケットが荒れます。荒れるというのは、方向感を迷っている状態にあります。その後ある程度の期間を経て方向感が出るマーケットとなる可能性が高いですが、これらのことは大統領選のときだけ注意しておけばいいという訳ではありません。リスクオフとリスクオンは、たまにやってきます。

リスクオン:投資家が積極的にリスクを取りにくる状態。新興国の株式や高金利通貨が買われます。
リスクオフ:投資家がリスクを抑える動き。金、米国債などが買われます。

もちろんそのときの状況によって買われる金融商品は違いますし、極端なリスクオフの場合は、全てを現金化する動きが加速します。最近でいえば、ビットコインなどの暗号資産に資産が流れる動きも見られます。リスクオフが起こる状態は、大震災やテロなどでの世界情勢の悪化でも起こり、その際に安全資産に資産を移す、いわゆる逃避することをいいます。

通貨間のみでリスク逃避とは

通貨限定で考えると、これはそのときの各国の世界情勢を把握する必要があります。すべてを把握するなど難しいと考える方もいるかも知れませんが、慣れるとそれほどむずかしい内容ではありません。

通貨間のみでリスク逃避というのは、語弊があるかも知れません。毎回通貨の強弱でトレードは成り立っていますので。ですので、日頃から意識しておくことが大切です。ある程度の通貨を上げておきます。マイナー通貨は除きます。

・ドル(米国)
・円(日本)
・ポンド(英国)
・ユーロ(EU)
・オージー(オーストラリア)
・スイスフラン(スイス)

オージーのことを、豪ドルと記載されているサイトもありますが、意味は同じですので、理解しやすい方で大丈夫です。他にも何十種類も通貨は存在しますが、だいたいこの辺りで逃避は事足ります。ドル=米国のように、どの通貨がどの国で扱われているかを覚えておくと世界情勢をチェックした際に反応が早くなりますので、是非覚えておいてください。

有事のドル買い、円買い

「有事のドル買い」などの言葉を聞いたことはありませんか?これは、先ほどの戦争などが勃発したリスクオフの状態のときに、ドルを買っておこう、円を買っておこうという動きが出るということです。まさに資産がドルに逃避している状態です。

ドルや円が買われる理由としては、その国の国際的な信頼や流動性などがあります。円でいえば日本ですが、日本の経済が素晴らしいから買われる訳ではありません。スイスフランも買われることが多いですが、スイスは永世中立国といって戦争がどこで起こっても中立の立場であることを宣言しており、影響がないということです。

有事のドル買いなどが、リスクオフ時に買われる側面で、リスクを増やしてもいい状態のリスクオン時に買われることが多いのが、オージーです。オージーが買われる際は、金なども同じように買われることがあります。

パターンは同じではない、マーケットの木も森も見る

ただ、リスクオフだからドル買いとパターン化されていないのが、トレーダーの頭を悩ませるところです。よく、木を見て森を見ずといいますが、現在起こっていることの木をまず見ます。木を見るということはその中心にある国を見ます。今回の米国大統領でいえば米国ですね。ということは、ドルを頭に入れておきます。

そして次に森を見渡して見て下さい。現在世界で起こっていることはなんでしょうか。その他気になるポイントをニュースなどで探ります。これは、日本のニュースサイトでも「国際」のカテゴリーを見れば出てきます。

11月4日時点で、米国大統領選以外に話題になっているのは、「欧州の新型コロナウイルス懸念」です。これは、欧州通貨が不安定な状態にありますので、ポンドやユーロは要注意ということです。そして次は、「現段階で安定している国は?」と頭を移します。コロナ禍でどの国も大変なのですが、今回は通貨のみの逃避という意味合いですので、一番安定、マシな国を探します。

一難去ったオーストラリア

オーストラリアは、新型コロナウイルスの感染は、それほど酷くなく、累計感染者数は2万7,595人、死者は907人で新規感染者数は11月2日で8人となっています。そして、昨年酷かった山火事も乗り越えています。中国にたいして強い姿勢で挑んでいるところはどう転ぶか微妙なところですが、RBA(豪中銀)は、政策金利を15bps引き下げ、0.10%とし波風が立っていない状態となっています。これらのことから考えられるのが、オージー(オーストラリア)は現在安全な通貨ではないかということです。

そのとき、落ち着いている国の通貨を買う

このように現段階でどの国の通貨が安全か?を見極め後はその通貨を押し上げる組み合わせをどれにするかを決めます。オージーを買うとして、それにたいしてどの国が売られやすい?ということです。

・オージードル
・オージー円
・ユーロオージー
・ポンドオージー

オージースイスは、僕自身売買したことがないので、省きます。軸とするのはオージー買いです。これにたいして、米ドルを売るのか、日本円を売るのか、ユーロを売るのか、英ポンドを売るのかということです。

英国でいうと、ブレグジット問題でまだまだ不透明で乱高下の恐れがあります。消去法でどんどん削っていくといいでしょう。今回でいえば米国が落ち着けば、ドル売りの可能性が出てくるので、ドルやユーロなどが面白いのではないでしょうか。

あくまでも状況を見て変えて行きますが、そのとき、そのときの世界情勢を見ながら通貨を選択していくクセをつけると、大相場のときに全貌が見えやすくなりますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。最後に、世界中がパニックの際は、有事のドル買い、円買いのパターンは覚えておくといいです。

*投資は、自己責任でお願いします。

ABOUT ME
Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。