2026年3月28日 過去24時間の市場動向と経済ニュース
主要市場動向まとめ
米国株式市場では過去24時間で主要株価指数が大幅に下落しました。S&P500種株価指数は前日比1.67%安と大きく値を下げ、ナスダック総合指数も2.15%安と下落幅が拡大しています。中東での戦争が4週目に入り収束の兆しが見えない中、原油供給への懸念からインフレ再燃への警戒感が強まり、投資家心理が悪化したことが背景にあります。原油などエネルギー価格の急騰やそれに伴う長期金利の上昇がハイテク株や一般消費財株などに逆風となり、株価下落を主導しました。これにより米国株式市場は5週連続の下落となり、投資家のリスク回避姿勢が鮮明になっています。
米国債券市場では長期金利が上昇し、米10年債利回りは約4.44%と昨年夏以来の水準まで上昇しました。エネルギー価格高騰によるインフレ圧力が今後の利上げ観測を呼び起こし、債券が売られたためです。市場では中東情勢によるインフレショックを警戒して各国中央銀行が利上げに踏み切るとの見方が強まりつつあります。実際、米金融政策においてもこれまで期待されていた年内の利下げ観測が後退し、むしろ追加利上げの可能性が意識される状況になっています。
暗号資産市場もリスク回避の波を受けており、ビットコイン価格は過去24時間で約4%下落して、一時1BTC=6万6千ドル前後と3月上旬以来の安値水準まで下落しました。中東情勢の緊迫化や米金利上昇に伴う世界的なリスクオフの動きが背景にあり、原油高によるインフレ懸念や金融市場の不安定化が暗号資産市場にも波及しています。また、相場下落に伴って清算(ロスカット)が相次ぎ、今週だけで30億ドル規模のロングポジションが強制清算されるなど、レバレッジ取引の巻き戻しが下げ幅を拡大させた面もあります。
主要な経済・金融ニュース
停戦合意遠のく中東紛争、イランは要求強硬で対立継続へ
米国とイランの間で停戦に向けた協議は難航しています。トランプ米大統領はパキスタン経由でイランに15項目からなる和平案を提示し、受け入れなければ「かつてないほどの打撃」を与えると警告しました。しかしイラン側はこの提案に前向きな反応を示さず、依然検討中とされています。イラン外務省は米国との直接交渉を否定するとともに、戦争の永久的な終結と被害に対する補償を要求し、自国のホルムズ海峡主権を主張しています。さらにイランは停戦合意が得られない場合、紅海のバブエルマンデブ海峡といった代替航路を封鎖する能力にも言及しており、中東情勢の一層の悪化によるエネルギー供給への懸念が高まっています。
米FRB当局者「インフレ期待の上昇に警戒」、利下げ観測一段と後退
米連邦準備制度理事会(FRB)のバー理事は、原油高による物価ショックがインフレ期待の高まりを招くリスクに警戒を示しました。バー氏は「中東での紛争が長期化すればエネルギー価格上昇が物価と経済活動に広範な影響を及ぼしかねない」と指摘し、インフレ抑制に向け「特に慎重な監視が必要だ」と述べています。FRBは先週の会合で政策金利を据え置きましたが、原油急騰を受けて市場では年内の利下げ期待が消え去り、むしろ追加利上げの可能性すら織り込まれ始めました。FRB当局者も「足元の不確実性を踏まえれば、金融緩和に踏み切る前に十分な時間をかけて状況を見極めるのが妥当だ」としており、当面は高金利政策の維持が示唆されています。
欧州でもインフレ再燃懸念、高まるECB利上げ論
中東情勢によるエネルギー価格の高騰は欧州経済にも波及し、欧州中央銀行(ECB)内で利上げ再開論が強まっています。ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は「中東の戦争がユーロ圏インフレを再燃させる恐れがある場合、4月の次回会合で利上げに踏み切る選択肢もある」と述べ、臨機応変に対応する構えを示しました。実際、2月末にイランへの空爆が開始され原油・天然ガス価格が急騰したことを受け、ECBは追加利上げの可能性をテーブルに載せており、市場では4月もしくは6月の利上げを織り込む動きが出ています。ラガルド総裁も「物価安定のため必要ならどの会合でも行動する用意がある」と表明しており、特にエネルギー輸入に依存するユーロ圏では原油・ガス高によるインフレリスクが日増しに高まっている状況です。戦争の長期化でインフレ期待が再び上振れすれば、景気減速懸念と両にらみの難しい舵取りを迫られるとの指摘もあります。
著名投資家ウッド氏、ハイテク株とビットコインETFを相次ぎ売却
積極的なハイテク投資で知られるキャシー・ウッド氏の運用するARKインベストが、大型ハイテク株と暗号資産関連への投資比率を引き下げています。ARKは26日、米メタ(Facebook)株を約4,100万ドル、エヌビディア株を約2,600万ドル売却し、同社が運用するビットコイン現物ETFの持ち分も約1,100万ドル相当売却しました。メタ株は未成年への有害なSNS設計を巡る集団訴訟での有罪評決を受けてこの1週間で約10%急落しており、ウッド氏はポートフォリオの見直しを迫られた形です。一方、エヌビディア株もイラン戦争の不透明感などからこの1か月で5%下落しました。加えてARKは暗号資産分野でも、ビットコイン強気派として知られるジャック・ドーシー氏のBlock社株を約500万ドル分処分するなど、リスク資産全般でポジション縮小に動いています。ビットコイン価格は直近24時間で約4.8%下落し6万6千ドル前後まで急落しており、ハイテク株と仮想通貨の両方でウッド氏の姿勢は強気一辺倒から慎重に転じつつあるようです。
