マカオでは1ヶ月以上新規感染者ゼロ!!
中国武漢から広がった新型コロナウイルスだが、中国と隣接するマカオでは当初から徹底したコロナ対策を講じており、3月12日時点、コロナの感染を完全に封じ込めに成功できている。
マカオでの感染者が出た直後からカジノの営業が停止された。そしてマカオのカジノとホテルは2月20日の0時から再開されている。しかし、テーブル間の距離はいつもより距離を開けて設置する必要があり、通常の30%ほどのテーブル数で稼働させている。
2月20日にすぐに再開できたカジノは29箇所あり、すぐに営業できないカジノは30日間以内、3月20日までにオープンする必要があり準備が進んでいる。
カジノで働く人の住まいをマカオに限定させる!
カジノ・ホテルではマカオ人以外のビザ所有(ブルーカード所有)のスタッフを多く雇用しており、ブルーカード所有者の多くは隣接する中国のジュハイ(珠海)市に在住している。
マカオ政府は今、ブルーカード所有者に対し、もし中国から来た場合、指定施設に14日間の強制隔離が必要という規制を設定しており、マカオで引き続き働く為にはマカオで住む場所を借りないといけない。
従って、カジノ・ホテルは現在、マカオ人/マカオ在住のスタッフを主に使っており、足りないスタッフの分については、カジノ・ホテル側が責任を持って住む場所を提供して、ブルーカード所有のスタッフをマカオに呼んで暫くマカオで滞在するようにさせている。
そして、現在は観光客が非常に少ない為、最低必要限度のスタッフだけを働かせ、他のスタッフは自宅で待機させるようにしている。
映画館やジムの営業は?
映画館・バー・マッサージ・ジムなど他の娯楽施設に関してはコロナが感染拡大している当初は強制休業だったが、3月2日から再開が可能になった。
ただし、客と客の間の距離は少なくても1メートル以上を取っており、そして定員に対して半分以下に抑えている。例えば映画館の場合、100席のシアターは毎回50名までしか入場できない。
レストランの営業は?
レストランには最初から政府からの制限はなかったが、カジノのレストランはカジノクローズと共に営業不能となった。市中の一般レストランは、2月20日までは外出する人がほぼいなかった為、暫く営業を停止する飲食店が多かった。
2月20日以降カジノが再開になり、飲食店は少しずつ再開を始めており、今はほぼ全ての店が営業を再開している。
しかし、外食をする人そのものが少なくなっている為、一部の飲食店は引き続き休みにしているところもある。
現時点まで、マカオでは1ヶ月以上新しく新型コロナウイルスに発病した人はおらず、市民は通常生活に戻ってきている。
現在のマカオでは99.9%の人は毎日マスクをつけて外出している。マカオには電車がないため、市民の多くはバスを利用するが、バスに乗る時はマスク着用が義務付けられている。
そして、多くの施設に入る際には、マスクを付けていないと入ることを拒否される。カジノ、政府の施設に入る時には健康申告をしないとならない。
銀行、郵便局、政府機関などの営業時間は調整されており、事前確認していく必要がある。また職場では、時差出勤などの対策をしているところも多い。
マカオでマスクは足りているのか?
政府は1月末か10日に1回、マカオIDとマカオブルーカード保有者に対して8mop/10枚の価格でマスクを提供している。そのためマスクが足りない状況はほぼなく、政府指定の薬局、福祉施設、衛生センターで購入可能となっている。
( *1パタカを13円として計算した場合、10個で104円となり、1枚:10円程度 )
国民の信頼を得たマカオ政府
香港とマカオは一国二制度となっているが、香港では昨年夏より民主化運動が続いた。しかし、マカオでは一切そのような動きはなかった。
マカオ経済がカジノ関連収益に偏っており、中国からの顧客が多くを占める為、マカオ政府は中国政府に対して従順な姿勢を取り続けてきている。
今まで多くのマカオ市民はマカオ政府に対して不能だと感じていたが、今回のコロナ対策に対して、中国、日本、香港、韓国などの周辺国と比較し、迅速に有効な対応をしている為、多くの市民が満足している。
去年末に新しく行政長官が就任したのだが、今回の新型コロナウイルスへの対応が素晴らしい結果に繋がった事から、今はマカオ市民からも非常に高い評価を受けている。
観光客が殆どいないマカオ
現在、マカオに入る為には色々な制限があり、日本との間にも渡航規制が行われており、14日間隔離されたり、8時間の医学検査受けたりなど様々な移動制限が引かれている。
世界遺産として有名なセナド広場付近も閑散としており、15年ほど前の、のんびりとしたマカオの風景が広がっている。これは現在の京都とも通じるものがある。
カジノを中心とした経済が元通りになる為にはまだまだ時間はかかるだろうが、新型コロナウイルスに対してマカオ政府が迅速かつ徹底的に対応し、感染封じ込めに成功した事例は各国とも参考にすべきであろう。
一時的に大きな痛みを伴ったとしても、結果的にはこれが一番正しい判断だったと、世界での新型コロナウイルスの蔓延が終熄した段階では言われることになるであろう。

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