コロナ特集

新型コロナウイルスがなぜイタリアで広がったのか?

イタリアコロナ

医療崩壊が起きている国はコロナの感染が拡大している

世界中で感染拡大が止まらない新型コロナウイルスだが、拡大する国としない国との大きな差は、医療施設、医療制度、医療体制が充実しているのか?していないのか?誰もがかかる事が出来るのか?出来ないのか?この点で大きな開きがでている。

ヨーロッパのイタリアで感染が大きく広がっている理由は医療崩壊にある。

医師不足がイタリアを直撃!!

イタリアでは、比較的裕福で医療制度が整っている北部から感染が始まり、感染は瞬く間に全国に拡大し、今もどんどん広がっている。

医療従事者がコロナによって死亡するという事も起きており、今後、貧困層の多い南部で感染者が増えれば、医療制度がさらに追い付かない危険性が現実化する。

財政健全化の為の医療費削減

新型コロナ蔓延危機の背景にあるのは、財政健全化に向けて行われた医療費削減政策にある。仏紙レゼコーによると、イタリアでは過去5年間に約760の医療機関が閉鎖し、医師5万6,000人、看護師5万人を削減した。これによって医療体制が全く追いついていないのである。

政府は引退した医療関係者の復帰や軍事施設の活用など、対応を急いでいるが、現状全く追いつかず、イタリア全土での移動制限を3月10日に行った。

イタリア経済に与える影響は?

ユーロ圏第3位のイタリア経済はリセッションの瀬戸際に立たされている。

イタリア金融界の中心地であるミラノを取り巻くロンバルディア州は、スイスとの国境に位置し、欧州でも最も豊かで生産性の高い地域の1つである。

隣接するベネト州など、新型ウイルスの感染拡大による打撃を受けている他の主要地域と合わせて、この地域はイタリアの経済生産の約3分の1を担っている。

エコノミストらの予測では、ただでさえ不振に悩んでいるイタリア経済は、この危機によって第1四半期末までにリセッションに陥り、波及的な影響は数カ月にわたって続くという。

ベネト州のルカ・ツァイア知事は、「ベネトには60万社の企業があり、年間GDPは1,500億ユーロ(約18兆円)だ。もしこの州がリセッションに陥ったら、イタリア経済も沈む」と語る。

新型コロナウイルスは貧富に関係なく感染していく。これは国家的、社会的安全の問題につながる。もし、イタリアがこれまで公的医療に多くを投資していたなら犠牲をもっと減らすことができていたのではないか。イタリアの集中治療室は5,090床あり、呼吸器系の感染症は3,000床となっている。患者数の急増で既に感染者数に対して数が足りていないことは明確である。

アメリカで感染拡大が広がっている

アメリカの医療費の公的負担率は50%(2013年)であり、そもそもの医療費が非常に高額である。2015年の無保険者は2,900万人まで減少しているが、医療にかかれない人たちが大勢を占める。

アメリカで低所得者向けに行われている食料費補助対策であるフードスタンプ受給者は4,700万人に及ぶ。

現実問題として、アメリカ全体で1億人程度は医療にかかりたくてもお金がなくてかかれない層がおり、この層の中で新型コロナウイルスが広がった場合、パンデミックが起こっている。

アメリカでも医療現場の崩壊が起きている

アメリカでも、患者らの殺到による医療現場の崩壊が同様に懸念されている。アメリカの感染者は日に日に増えてきている。

アメリカでは3月中旬から新型ウイルスの検査費用が公的医療保険で賄われるようになり、検査希望者が急増した。これにより医療機関は既にパンク状態にあり、関係当局から病院に行くのは緊急時のみにしてほしいと国民に訴えている。

新型コロナの世界的なパンデミックは防ぐことは難しい

そして、これは社会保障、医療制度の整わない全ての国で同様のリスクがあり、この事を考えれば、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックは現実問題として防ぐことは難しいのではないだろうか。

経済の大きな落ち込みに対応する為に、各国の中央銀行が協調して金融緩和策を発表するだろうが、金利は既にゼロを下回っている国も多く、量的緩和に踏み切る公算が大きい。

そして、量的緩和はお金を刷ることであり、紙幣の価値を下落させる。

リーマン・ショック後の世界経済は、量的緩和による資産インフレ、資産バブルを引き起こした。

しかし、今回の新型コロナウイルス蔓延は実体経済に大きなダメージを与える為、いくら市場にお金を流し込もうとしても、リスク回避の流れが強く、株価の上昇にはつながりにくく、バブル崩壊、恐慌に向かう可能性が高い。

そのような中で、世界各国は大量の借金を更に大きく抱え込むことになり、金利が上昇する局面を迎えれば、各国の財政への負担は非常に大きくなり。

これにより、増税を進めるか、大きく財政削減を行う必要となり、医療費が大幅にカットされれば、新型コロナウイルスのような新たな病原菌が発生した時には、新たなパンデミックが起こるリスクが高くなる。

そして、生産ラインの不安定化により物不足は世界的に深刻化し、悪性のスタグフレーションを起こすことになる。

今後は上級国民と下級国民に分かれる

そして、その時には、安心した医療を受けられる上級国民と、医療を受けたくても受けられない下級国民が、世界の中でも分けられることになるだろう。

新型コロナウイルスは 金余りが発生させた資産バブルによる経済的な二極化を、さらに深刻な問題として世界中に問う形になっているのではないだろうか。

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【AI TRUST編集部】大泉
【AI TRUST編集部】大泉
AI TRUST編集部の為替担当大泉です。FX、為替歴は11年。今までにトレーダーとしても活躍。最近は為替の自動売買ソフトのアドバイザーなども務めており、為替のプロフェッショナル。
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