政治混乱

【2020年最新】ISやアルカイダによるテロがアフリカ地域で激化している

イスラム国(IS)やアルカイダなどジハード主義組織の弱体化が進み、近年テロリズム研究の世界では、国境を越える暴力的な白人至上主義のテロに関する研究や分析が盛んになっている。しかし、確かにISの支配領域が崩壊してから1年以上となるが、アフリカのサヘル地域周辺ではISやアルカイダを支持する武装勢力によるテロが近年激化している。

アフリカのサヘル地域周辺では、テロが激化

サヘル地域のマリやブルキナファソ、ニジェールでは、イスラム国を支持する「大サハラのイスラム国(ISGS)」や、アルカイダを支持する「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」などのイスラム過激派による村や軍基地、キリスト教会を標的としたテロ事件が近年増加傾向にあるだけでなく、1回のテロ事件における死傷者数が数十、数百に上ることも珍しくない。特に、ブルキナファソではここ数年でマリから越境してきたISGSやJNIMによるテロ事件が深刻化している。

また、こういったイスラム過激派は、マリやブルキナファソ、ニジェールの周辺諸国に越境することが懸念されている。例えば、ブルキナファソとの国境地帯にあるコートジボワールの町カフォロでは今年6月、ブルキナファソから越境したイスラム過激派とみられる武装集団がコートジボワール軍を襲撃し、兵士14人が殺害された。コートジボワール政府は7月、サヘル地域のテロ情勢が悪化していることを受け、ブルキナファソとの国境地帯に兵力を増強し、特別軍事区域を設置した。

また、ブルキナファソと北部で国境を接するトーゴでは今年初め、ブルキナファソから越境してきたとみられるイスラム過激派のメンバー100人あまりがトーゴ当局に拘束された。コートジボアールやガーナ、ベナンやトーゴのギニア沿岸国は、ISGSやJNIMの南下を強く警戒している。

ナイジェリア北西部にもイスラム過激派が

しかし、脅威はそれだけではない。米アフリカ軍は今年8月、ISGSやJNIMなどが南進し、ナイジェリア北西部に勢力を拡大する恐れがあると指摘した。ナイジェリア北西部へ勢力を拡大するとなれば、ニジェールの首都ニアメー(Niamey)がある同国南西部を通過することになるが、ニアメー近郊では8月、フランス人のNGO職員6人を含む8人が武装勢力に殺害される事件があった。

ナイジェリア北西部とサヘル地帯を繋ぐテロの脅威は一部で指摘されてきたが、ナイジェリアでは北東部などではボコハラムや“ISの西アフリカ州”などのイスラム過激派が活発に活動しており、サヘル地域から越境するイスラム過激派がナイジェリアで勢力を拡大できる土壌は存在する。

アジアや中東、欧米と比較すると、アフリカの治安情勢が報道されることは少ない。しかし、ISの支配地域が中東でなくなったとしても、アフリカではそれに関連する活動が活発化している。

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国際政治学者、大学教員でありながら、実務家として安全保障・地政学リスクのコンサルティング業務に従事する。また、テレビや新聞などメディアでも日々解説や執筆などを積極的に行う。
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