お金の話

所得格差は2021年ますます広がる【コロナ禍で実態はかなり悲惨に】

新型コロナの感染拡大の影響で、2020年に解雇や雇い止めにあった人は、2021年頭の段階で、見込みの人も含めて累計7万9,608人にのぼっています。

そして新型コロナの感染拡大で、仕事が大幅に減り、経済的に困窮するパート・アルバイト女性が急増しています。野村総合研究所の推計によると、仕事が5割以上減り、休業手当も受け取っていない実質的失業者は2020年12月で90万人に及んでいます。今回は改めて、所得格差の問題についてまとめてみます。

2021年に所得格差はますます広がる

孤立化する女性

実質的な失業状態にある90万人にも及ぶ女性たちは、国や自治体の支援からこぼれ落ち、孤立している実態があります。総務省「労働力調査」によるとパート・アルバイト女性は1163万人(20年11月)おり、実質的失業者は全国で90万人と推計できます。

これらの実質的失業者を加味すると、女性の失業率は5.2%となり、実際の失業率(2.3%)を2.9ポイントも押し上げることになります。こうした実質的失業者の6割は、コロナ禍前でも世帯年収400万円未満でした。自らの収入が家計を支えているケースは多く、実際、5割近くは世帯収入が半分以上減っているのです。働くことができず、国の支えもなく、日々の食事、住む場所の確保もできなくなれば、自ずと自らの命を断つという選択をする人も急増している過酷な状況になっています。

一億総中流社会は過去の話

一億総中流とは、1970年代の日本の人口約1億人にかけて、日本国民の大多数が自分を中流階級だと考える意識を指します。一昔前までは一億総中流のイメージが強かった日本でしたが、バブル崩壊後から日本国内でも所得格差が生じはじめ、そして2000年代に入り所得格差は広がり、2008年のリーマン・ショック以降、二極化が明確になりました。

現在の日本では所得格差は地域間、産業間、世代間、男女間、正規非正規雇用など様々な形で生じており、これは欧米を始めとした先進民主主義各国の共通の問題でもありますが、新型コロナ禍により、所得格差はますます広がる結果となりました。

日本は資本主義であるため、ある程度の所得格差が生じてしまうことには必然性がありますが、富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなると言われるように、貧困層に分類される低所得者が貧困層から抜け出すことは本当に難しい時代になってしまいました。

市場原理主義が格差を生み出したのか?

バブル期には土地や株式などの資産を「持てる者」と「持たざる者」の所得格差が話題になりました。日本は戦後の復興から高度成長期を経て、国民が一億総中流意識を持つようになり、諸外国に比べ比較的平等な社会が形成されてきたとされますが、自由経済社会を掲げる限り常に所得格差は存在しています。しかしこれが現在大きく拡大してしまっています。

・機会は平等に与えられており、格差は能力や努力の結果であり仕方がない!
・富裕層が一層富めば“富の再分配機能”を通じ貧困層の生活も底上げされる!

などの格差拡大を容認する意見がある一方、

・親の所得が学歴に影響し、学歴で雇用機会に差が生じる。機会平等社会ではない!
・若年層での所得格差(非正規社員と正社員)は将来の社会秩序の破壊を招く!

と問題を重視する声も多く、規制緩和・市場原理主義を推し進めた小泉・安倍路線が所得格差拡大を助長したという政策批判もあります。現在の菅内閣にしても、弱者に対する政策は圧倒的に欠けているように感じます。

所得格差問題を解決するには?

シンプルに最低賃金の大幅な引き上げが必要だと考えられます。日本では、サービス料を払ってもらえない、お客に価格転嫁ができない、などを理由に、 最低賃金の引き上げができないという経営者の声が多くありますし、全般的に所得が低いサービス業関連は、今回の新型コロナで大きなダメージを受けており、所得を上げるなど到底不可能だというのが実態でしょう。それら業態での失業率が大幅増加しているのが今の現状なのでから。

しかし、最低賃金には理論値があり、しかるべき水準にするべきなのです。日本では政府が理論値をまったく無視し、理論値を大幅に下回る最低賃金を設定しています。その結果として、国民が理論的にもらうべき水準の給料がもらえていないのが現実なのです。最低賃金の引上げには政府の推進力が必要とされます。アメリカではバイデン新政権が最低賃金の引上げを進めています。同様のことを日本でも実行してほしいものです。

ツケは必ず自らに戻ってくる!

国はインフラの整備・維持、年金・医療費などの社保障の負担を負わなくてはいけません。見返りを求めない、最低賃金が低い、価格転嫁できないなどの理由で国民の所得が増えなければ、払うべき税金を納められない状態が続くだけになります。その結果、国の借金としてその分が蓄積されていきます。

2020年度の国債発行総額は約263兆円になっています。2019年度の発行総額は約154兆円なので、2020年度の国債発行は約110兆円も増加したことを意味しており、既に国の財政は実質破綻状態にあります。現在の積み上がった国債は、最終的にそのつけは、国民一人一人にまわってくる現実を考えなければなりません。

所得格差問題を回避するためには?

所得格差問題の根本的解決を国に求めても残念ながら解決できることはほとんどありません。自らこの問題を解決していくしかないのです。

①自らの得意分野とするスキルを上げる
②所得レベルの高い、付加価値の高い分野のスキルを学び、その職に就く
③知恵・知識の二極化も進んでおり、この上位にいるようにアンテナを張り学び続ける
④最先端のITツール等を徹底活用する
⑤日々のコストのかからない賢い生活スタイルを作る
⑥手元にある不必要なものをヤフオク等でより高い価格で売る方法を習得する
⑦ものを買う上でも、価値の下がらないものを買い、⑥で売ればお金は余り減らない
⑧お金への理解を深め、投資力を高める
⑨国の補助金、助成金、制度を理解し、徹底活用する

日々アンテナを張り、知恵・知識を深めることで、お金・投資にも置き換えられ、クレバーな投資力ができるようになり、所得格差問題は自ら解決することもできるのです。

ABOUT ME
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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