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米中デカップリングによる中国TEC企業リスク検証

Tiktokへの売却令

米中のTEC分野におけるデカップリングはかなり深刻な状況にあり、トランプ米大統領は3日、中国の動画投稿アプリであるTikTokを巡り、マイクロソフトなど米企業による買収を条件付きで容認すると表明しています。9月15日までに実現しなければ米国でのTiktok利用を禁じると警告し、米政府が利益を得られる形で早期の交渉決着を求めています。

ひとつの企業に対して行う政策としては、いじめのようでもあり非常に違和感も感じますが、今後は中国系TEC企業のデカップリングによるリスクについては常に頭に置く必要があります。考えてみれば、中国は今まで米大手IT企業に対して様々な嫌がらせや中国市場からの退出をさせ続けてきたわけで、米が現在行っている行動が極端であっても、あながち間違っているとも言えないのかもしれません。

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ターゲットとされる中国企業は?

中国のハイテク企業を巡る環境は、1年前に比べても激変しています。大半の企業は当時、米中通商紛争やファーウェイを巡る安全保障上の懸念の影響をほとんど受けてはいませんでした。世界中の先進国は、価格や安く品質の良い中国企業の製品を何処も利用し続けていたわけです。

既に名指しで米、英、フランス等から締め出しを喰らっているファーウェイ。そしてインドで使用禁止になっているTiktok。さらにはドローンメーカーのDJI、人工知能(AI)のメグビーやセンスタイム、アイフライテック、監視カメラのハイクビジョン。電子商取引のアリババ・グループなど、世界最先端の技術を持つ中国のハイテク企業が、欧米市場及び世界へのアクセスを失いつつあります。防衛上観点からさらに対象企業は増えていくことも予想できます。

人工知能技術のセンスタイムとメグビーは米国の投資家から資金提供を受けており、大型のIPOを目指していました。アリババはクラウド事業については早々に世界展開を拡大しようとしていましたし、DJIはドローン市場では独占的な地位を固めつつありました。しかしこのあとの世界展開には大きな軌道修正が必要となります。

ファーウェイとTiktokについては、中国と米国やインド、オーストラリア、英国などとの関係が悪化したため、今では完全な逆風にさらされています。このあたりは中国政府の世界各国との全方向的な問題を引き起こしたことによる自業自得とも言えるものです。

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米の中国批判はウイグル族への弾圧から始まった

米国は昨年10月、中国政府による新疆ウイグル自治区のイスラム系ウイグル族への弾圧などを理由に、中国ハイテク企業への新たな制裁措置を導入しました。新型コロナ対策への対応失敗から支持率が継続的に下がっている中で、再選を目指すトランプ米大統領は中国批判を強めることで国内世論をまとめようとしています。それに対して中国の習近平国家主席は強硬路線を採ったことにより、状況がさらに悪化しました。

中国政府は香港国家安全維持法の施行を巡って、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなと他の国々との間でも緊張が高まっています。そしてインドは国境付近での中国との係争を受け、中国のモバイルアプリ59種を既に禁止しました。

>>今後の香港はどうなるのか?

中国の新興TEC企業への逆風

中国のハイテク大手は今や、契約の解消、製品の禁止、投資阻止などに見舞われており、世界展開へのハードルは今後さらに高くなる見通しです。既に世界進出を果たしている企業や、一定以上の会員数を確保しているプラットフォーマーであれば、影響を受けても成長を続けることができるでしょうが、新興TEC企業にとっては完全な逆風となり、世界進出は非常に厳しい状況に置かれていると考えるべきでしょう。

ファーウェイは製品が通信機器市場から絞め出され、売上高が年間数十億ドルも落ち込む可能性があります。米内務省は安全保障上のリスクを理由に、DJI製民生用ドローンの利用を取りやめ、機体の追加購入を停止しました。これによってDJIはIPO計画を凍結し、目処が立たない状況にあります。

アリババ・グループはインド政府が傘下「UCウェブ」のブラウザーを禁止したことを受けて、既にUCウェブの人員を削減していますが、各企業のリストラが一気に進む可能性もあります。

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中長期的な影響と投資戦略

中国ハイテク企業にとって、現在は利益の最大の源泉は巨大な国内市場にありますし、引き続き中国からの投資受け入れを望んでいる新興国、発展途上国も多くあります。東南アジアと欧州は、今後も中国企業を受け入れていくでしょう。

米中のTEC分野でのデカップリングがこのあとも進んだとして、業績への影響は数年間は出ることになるでしょうが、その先をみた場合、中国大手TEC企業については、それを乗り越えて大きく成長するのではないかとAI TRUSTでは考えています。

安価で性能が良い製品を、中国製だからという理由で使わないということになれば、結果的に自社の競争力が競合他社に対して下がる可能性もあるわけです。国家として完全に使用禁止となればその国での成長は見込めませんが、そこまでの政策が取られなければ、競争原理が働く資本主義だからこそ、利用し続ける企業も多いわけなのです。

投資を検討する上では、事業への影響の大小による選別を行う必要がありますし、高値を追うのではなく、安値を拾う戦略が良いでしょうね。

そして記者個人の立場としては、やはりアリババのアントのIPOに引き続き最注目していますし、皆さんも注目されることをお勧めします。まだ読まれていない方はこちらのレポートを是非お読み下さい。

>>アント 香港上場に注目!!

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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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