世界各地で第二波の懸念が
新型コロナの世界での感染者数は7,617,591人、死亡者数は424,587人となっています。米国ではテキサス、アリゾナを含む一部少数の州で新型コロナによる入院者数が足元で急増し、米経済の再開により、感染の第2波を引き起こすとの懸念が強まっています。中国の北京市では食品卸売市場が相次いで閉鎖されたほか、ロックダウンが解除されたばかりのインドでは新たなコロナ感染者が過去最多を記録しました。

人種差別問題へのIT大手各社の対応
米ミネソタ州で黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫され死亡した事件を受け、長年にわたる黒人差別の問題が注目される中、大企業の間で黒人社会を支援する取り組みが広がっています。
グーグルは、不動産や求人、金融などの広告が、郵便番号や性別、年齢や婚姻状況などに基づいて表示されることを禁じ、違法な差別の根絶に取り組むと発表しました。アップルは、人種差別問題に取り組む1億ドルのイニシアチブの一環として、黒人が経営するサプライヤーへの支出を拡大する方針を示しました。ユーチューブ、黒人アーティストの支援に1億ドルを投じると表明し、IT大手各社の積極的な取り組みがみてとれ、これは大きく拡大していくことが予想されます。富の二極化、貧困問題解決の大きな流れができていくことに期待したいところです。

航空業界はどうなる?
世界の航空会社で組織するIATAは、新型コロナの打撃を受け航空会社が年内に被る減益は840億米ドル(約8兆9,880円)に達するとの新たな見通しを示しました。貨物や乗客輸送の需要は来年激増するだろうとしながらも、今年の旅客需要は昨年比で約30%下落すると予測しています。先進各国は自国のナショナルエアラインに対しては支援の姿勢を見せていますが、LCC各社は大規模支援を得られないところも多く、破綻は継続して続くことが予想されます。エアライン各社の価格競争が無くなることで、移動コストの大幅上昇も考えられ、ZOOM等のウェブ会議システムも急速に充実、普及していますし、アフターコロナでは国家間を超える長距離移動そのものが大幅に減り、元には戻らないのかもしれません。

エリザベス女王もビデオ会議
英国のエリザベス女王が公務の一環として、史上初めてビデオ会議システムを使って懇談会に参加しました。ちなみに女王は94歳です。そしてイギリスでは、ロックダウンによるストレスから、多くのイギリス人の酒の量が増え、全体の3分の2の人の体重が増えているそうです。これはロックダウンが行われた各国も同様の状況でしょうし、飲酒、肥満による病気も急増することになるでしょう。新たな患者の増加により、新型コロナ第二波が訪れたとき、想定しなかった医療崩壊につながる恐れもあります。

食料供給体制への不安
世界各国の野菜や果物農園の作業者や、梱包作業者の間で新型コロナの感染が広がっています。これは、それぞれの国の食料供給に新たな障害をもたらす可能性があり、従業員の安全を守りながら食料のサプライチェーン維持に向けた舵取りが求められています。野菜や果物の収穫は、作業が屋外でソーシャル・ディスタンシングを維持することも可能ですが、作業員が至近距離で働く梱包施設などではウイルスの感染リスクが高くなります。そして各国の報告では、これまでに食肉加工大手の精肉施設でも新型コロナの集団感染が発生しています。食料輸出国での食料収穫、出荷現場でのクラスター感染が続けば、輸出そのものが滞る恐れがあり、食料輸入国の食糧不足の深刻化につながる恐れもあります。

米大統領選がブラック・スワンになる可能性を想定すること
米大統領選がある11月が、ブラックスワンのきっかけになるかもしれません。めったに訪れることはありませんが、やって来ると甚大な被害が発生するイベントリスクがブラック・スワンであり、今回の新型コロナがまさにそうでした。現在のアフターコロナバブルに転機をもたらし、一昨日の米株式市場を暴落させたのは、米国の新型コロナの感染第2波への不安と、FRBのパウエル議長による慎重な景気見通しにありました。この2つが11月の大統領選のタイミングで、ブラック・スワンを引き起こす恐れがあります。
FRBの行う大規模金融緩和策により、低格付け債の利回りは急低下し、リスクプレミアムの低下が株式市場に波及して、アフターコロナバブルを演出しました。しかしこれが順調に機能するのか? 過剰流動性相場では、ボラティリティの高い相場が続くことを覚悟する必要がありそうです。

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世界経済は2020年、マイナス6%成長と戦後最悪を記録することが予測されています。しかし、そのような中で世界中の株式市場は高騰し、ナスダック市場は最高値を更新しました。
日銀、FRB、ヨーロッパ中央銀行、それ以外も世界各国の中央銀行が過去に例がない極端に大きな資金を、コロナ対策費としてつぎ込んでいます。これにより世界の株式市場は完全な過剰流動性相場、アフターコロナバブルです。
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