いま世界で何が起こっているのか?
新型コロナの世界での感染者数は3,748,959人、死亡者数は263,146人となっています。英国で新型コロナ対策を立案する非常時科学諮問委員会(SAGE)の主要メンバーで、ロックダウン措置の導入を主導したインペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授が5日、自らロックダウンのルールに違反したことを認め、SAGE委員を辞任しました。
日本では外出自粛規制ですが、欧州各国は厳しいロックダウンの措置が取られる中での、主導する責任者が自らに甘い。この状況がコロナ蔓延を悪化させることは分かっているにも関わらず。イギリスではジョンソン首相が一時は重篤な状態に陥っていましたので、貴族社会のイギリスでは、マナー・モラル違反が特に強く叩かれたことも予想できます。自らを律しなくてはいけませんね。
米失業率、約80年ぶり水準に悪化を予想
アメリカの失業率の増加・悪化が懸念されます。新型コロナ感染拡大防止に向けたロックダウン措置が響いて第2・四半期の米経済が大幅に縮小しています。
失業率が1940年代以来の水準に悪化する公算が大きくなってきました。経済活動の再開とともに回復が今年下期に始まる可能性はあるとしつつも、根付くには時間がかかるともFRBでは述べられています。
クラリダFRB副議長はCNBCとのインタビューで「われわれの生涯で最も深刻な経済活動の縮小と失業率の急上昇に直面している」とし、FRBは経済への打撃を最小限にとどめ、同時に景気を支援するために金利やバランスシート、ファワードガイダンス、緊急融資ファシリティーなど、あらゆる政策ツールを駆使していると強調しています。
しかし、既に本年度の財政赤字は390兆円を超え、来年度も260兆円の財政赤字が予想されています。ジャンク債を含む資産を買い入れる緊急措置については、必要に応じ融資プログラムの拡充は可能と言いますが、不良資産の大量買入によるFRBの資産内容の悪化、劣化も非常に危惧されるところです。
紙幣の価値が下落している状況だと理解する
日本も外出自粛規制が5月末まで続くこと、さらには新しい生活様式が推奨されることで、企業、店舗の淘汰が続くことになるでしょう。これによって失業率は過去経験のないレベルまで上昇することにも覚悟が必要に感じます。
既に積み上がった国債がまだまだ増えていくことになります。外出自粛規制延期による措置に対して追加での支援策が行われることも確実です。これによって相当大きな負担増加が継続することになります。目先の問題を解決するためには当然必要な措置なわけですが、紙幣は日の経過と共に価値が下落している状況だと理解をしなければなりません。
この歴史的な瞬間にいることは貴重な経験であり、過去に起こった経済の歴史を学ぶにも良いタイミングにあると考えましょう。
歴史は必ず繰り返す!

アフターコロナ マイナス経済長期化も
世界各国はアフターコロナの出口に向けて試行錯誤をしています。今見えてきたことは感染の再拡大を防ぐためには、封鎖の解除後も人々の生活や経済活動に一定の制約を求めるアフターコロナの生活様式です。

世界各国の状況を見てみると、フランスは4月11日に厳しい外出制限を解いて小学校などを再開しつつ、美術館や映画館は閉鎖を続けています。そして飲食店の営業はまだ認めていません。イタリアは4月4日からまず製造業を再開しました。レストランなどの再開は6月以降となります。日本はもともと海外のような厳しい封鎖はしていませんが、5月6日が期限だった緊急事態宣言の解除は見送りました。
毎日2万~3万人ほどの感染者が新たに出る米国も、経済を機能させなければいけないと、トランプ大統領主導のもとで段階的な緩和に動いています。コロナ不況は、ずるずる封鎖を続けることで、大恐慌以来、最悪の不況となっています。どの国の経済もしばらく水面下に沈む、マイナス成長になることは避けられそうにありません。
しかし、これが長期化すれば、倒産や失業が広がり、社会が麻痺しかねないとの危機感もあります。不況長期化に対し、個々人が万全に備える必要がさらに高くなっていることを意識し行動しましょう。
マカオのカジノがコロナ持久戦へ
世界最大のギャンブル拠点のマカオでは、同業の多くが嵐を乗り切れるだけの十分な手元資金を確保しています。数カ月から数年、収入ゼロが続いても、生き残れるだけの資金を確保しています。リーマンショック時の大きな落込み、中国共産党による贅沢禁止指示での規制など、大きな落込みを何度か経験したことにより、リスク管理が徹底しており、財務体質が圧倒的に強化されているのです。
マカオのカジノ運営会社らのバランスシートの質は、米ラスベガスの同業者を凌駕しています。米ラスベガスのカジノ業者が多大な債務を背負い込んでいるのに比べ、マカオでのビジネスは豊富な現金収入を生み、借金も比較的少ないのです。
ひとえに本土の中国人の飽くなきギャンブル熱のおかげで、近年、収益を大きく伸ばしてきたこと。必要以上な設備投資を行わないこと。カジノのメインストリートである、コタイストリップの開発自体も昨年の段階でほぼ終了していたことなども功を奏した形となりました。マカオという国の徹底したコロナ封じ込め策にも日本は学ぶべき点も多いです。
新型コロナ感染封じ込めに成功したマカオ

米:エアビーアンドビー 25%の人員削減
米民泊仲介大手エアビーアンドビーは5日、新型コロ感染拡大の影響で世界的に旅行需要が激減していることを受け、全従業員数の25%に当たる約1,900人の削減を実施する方針を明らかにしました。
ブライアン・チェスキー最高経営責任者は、エアビーアンドビーの事業は大きな痛手を受け、今年の売上高は昨年の半分以下になると予想しています。日本の民泊運営者はただでさえ年間宿泊数の上限が決められている中で、売上が半減すればどうなるか?
殆どの運営者は継続不可能になることが予想できます。日本の民泊熱は下がるどころか、ほぼ無くなる状況もありえると考えられます。
毎週1回情報をまとめてお送りします。

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